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第11回 回路の基板実装とテスト -HAKO-

ミニケース「KARAKURI -HAKO-」で使用する回路基板と接続用コネクタケーブルを作ります。

いよいよユニバーサル基板に部品をはんだ付けして実際に動く回路基板を製作します。

回路基板に実装する回路図については、「第8回 回路図を描く」で作成したものを使用します。

製作するものは以下の3つです。

  1. 回路基板
  2. M5StickCと回路基板をつなぐコネクタケーブル
  3. M5StickCと温度センサーをつなぐコネクタケーブル

コネクタケーブルの詳細な作成方法は、当サイトの「INSIDE TECH」で記事にしています。今回は「INSIDE TECH」の次の記事と連携しながら記載していきますので、合わせて読んでくださいね!

コネクタケーブルの詳細と作成手順については、次の記事を確認してください。

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回路基板に実装する回路図のおさらい

今回、ユニバーサル基板に実装する回路図についておさらいしましょう。
以前作った回路図は次のようなものでした。

この図の中のM5StickCと書かれた部分以外を回路基板に実装します。

実際の部品や配線のイメージを作ってみる

では、実際にはんだ付けして作成する回路基板の部品配置や、配線のイメージを作っていきましょう。

作成にはFusion360を使っていきます。このアプリは、通常のCAD図面だけでなく、電子回路の論理図や物理配置図、最終的な実装イメージ(CAD)まで作成できるので、非常に素晴らしいです。

 

部品配置図を作ってみる

回路図をもとに物理的な部品と配線の配置について作成したのが次の図です。

今回はユニバーサル基板(縦30㎜×横70㎜)のものを想定して部品を配置しています。

ピンヘッダ (120㎜ファンのLEDコネクタ)は、左から2番目のピンを引き抜いて3ピン構成になるようにしてから基板に実装します。

三端子レギュレータには、ヒートシンクを装着するので、コンデンサ(47μF)との間をあけています。

 

完成予想図を作ってみる

部品配置のイメージができたので、完成予想図を作ってみましょう。

ざっくりこんなイメージに実装できるといいですね!

表面は部品のみ実装して、配線は、裏面に作るイメージです。なので使用するユニバーサル基板は両面実装用を使います。

 

実際にはんだ付けして回路基板を作ってみる

ここまでくれば、各部品を準備してユニバーサル基板にはんだ付けしていくのみです。

はんだ付けの作業に使うツールや方法については、次の記事で紹介していますので、参考にしてみてくださいね!

実際にはんだ付けして作成した基板は次の通りです。かなり素人なはんだ付けになってしまいましたが、テスター等での導通確認はパスできたのでよしとしましょう。(修行しないとな。。。)

部品面はこちら

配線面はこちら

 

M5StackCと回路基板の接続用コネクタケーブルを作る

次にM5StackCと回路基板を接続するコネクタケーブルを作ります。回路基板からは4本ケーブルが出る形になります。今回はXHコネクタ(2P)を2つ使って4本ケーブルの接続用ケーブルを作りました。

各コネクタ毎に、電源線と信号線を分けて作りたかったので2P×2にしましたが、4Pのコネクタもありますので、それを使ってもよいです。

また、M5StackCと接続する側は接続時の安定性を確保するため、接続部分はM5StackC側すべてのQIコネクタを埋める形にしたものを作りました。※接続部分から出るケーブルは4本という形にしています。

QIコネクタをつけたケーブルに両端ロングピンヘッダを差し込んで、固定するために熱収縮チューブを取り付けています。

熱収縮チューブは熱を加えると収縮するゴムのような材質で絶縁も兼ねて固定できるので便利です。

回路基板側のコネクタはXHコネクタ(2P)を取り付けています。

 

QIコネクタやXHコネクタの作成(圧着)方法については、次の記事を確認してください。

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M5StackCと温湿度センサーの接続用コネクタケーブルを作る

次にM5StackCと温湿度センサーを接続するコネクタケーブルを作ります。今回つかうDHT11という温湿度センサーの使い方とコネクタの作成については、次の記事を参考にしてください。

温湿度センサーの使い方については、次の記事を確認してください。

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実装後の動作確認

はんだ付けも終わったことですし、回路基板の動作確認をしてみます。

全ての配線を行った後にDCアダプターをDCジャックに接続し、電源を供給してみます。

M5StackC上に書き込んだプログラムは、前回ご紹介したプログラムです。パソコンやスマホなどのブラウザから設定を変えてきちんと動作することを確認します。

接続したイメージは次のようになります。

設定変更に応じてファンのLED色が変化することを確認できます。GIFアニメーションに圧縮しているのでチカチカしますが、実際はきちんと赤や、青などに光りました。

また、わかりずらいですが、ファンの回転数も変化させることができました。

 

これでケースに実装する回路基板とコネクタケーブルが完成しました。

今回の記事は以上になります。
次回は、いよいよケースを組み立てて、各部品を取り付けていきたいと思います。

このシリーズもあと少しで完成です。お楽しみに!!