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オーダーメイドで作る 自分だけのプリント基板  (ユニクラフト)

すけろく
うーむ。
回路図は作ったが、
ユニバーサル基板で作るのは骨が折れるな…
げんろく
ほう。部品も多くて配線が難しそうだな。
ここは一度プリント基板製造サービスを使ってみてはどうだ?
すけろく
それも考えているのだが、たくさんサービスがあって
どうしようか、迷っているのだ。
げんろく
コスパと品質、日本語でやりとりできるというポイントを押さえた、
「ユニクラフト」さんの「プリント基板製造サービス」を使ってみよう!
Raspberry PiやArduino、M5Stackなどで電子工作していると、回路図作成ができるソフトウェアで
自分なりの回路を作ることも多いはず。
回路図を作成しているときは、パソコン上でノリノリで作成できるので、楽しいですよね。
簡単な回路であれば、ユニバーサル基板と線材を使って回路基板を作ることも多いですが、
部品が多く回路が複雑になると、ユニバーサル基板と線材では対応できなくなります。
感光基板を使って自作することもできますが、薬液の管理や、露光時間、洗浄、穴あけなど
やることが多くちょっと難しいのが現実です。
そこで活躍するのが、「プリント基板製造サービス」です。
自分で作成したデータをもとにプリント基板を製造してくれるサービスですが、
次のような悩みがあります
非常に多くのプリント基板サービスがあってどれが良いのかわからない
外国初のサービスだとコストは安いが品質が心配
製造時の指示など日本語できちんと伝えたい
今回の記事では、そんな悩みを持ちながら、プリント基板製造サービスを使って
プリント基板を作成してみたのでご紹介します。

プリント基板製造サービスとは?

プリント基板製造サービスとは、プリント基板データからプリント基板を製造してくれるサービスです。

回路作成ソフトウェアには、回路図から実際の部品サイズやフットプリント(接合面)などを考慮した

プリント基板データを作成するための機能がついているものがあります。

また、最近のプリント基板製造サービスには、プリント基板データ設計サービスもオプションとして用意されています。

プリント基板製造サービスには大きく分けて2つの形態があります。

  1. 日本国内の会社へ発注し、日本や海外の製造拠点で生産管理してもらう形態
  2. 海外の製造会社へ直接発注する形態

コスト的には、海外の製造会社へ直接発注する形態のほうが安く済むことがありますが、為替の影響を受けることもあります。

しかし、日本国内の会社へ発注では、きちんとした日本語でやり取りができるため、

伝え間違いが少なく結果的にコストが安くなるということもあります。

そこで今回は、初めてプリント基板を発注する、または試作版を製造した後に安定した量産をしたい場合を考慮し、

日本国内の会社へ発注する形のサービスを使いました。

もちろん国内にもいろいろなサービスがありますので、コスト面も考慮して、次のサービスを選びました。

 

株式会社ユニクラフトさんのプリント基板製造サービスです。

 

ユニクラフトさんのサイトはこちら>>クリック!

 

 

 

プリント基板製造サービスの発注方法

発注方法は、つぎのような流れになります。

<発注までの流れ>

  1. 回路図を作成する
  2. プリント基板データを作成する
  3. ユニクラフトさんのWebサイトでユーザーを作成する
  4. 基板製造の見積りを依頼する(プリント基板データのアップロード)
  5. 見積りを受け取り、問題がなければ発注を確定
  6. 手元にプリント基板が届く

 

回路図を作成する

今回、回路図の作成に使用したソフトウェアは、「KiCAD7.0」です。

このソフトウェアには、回路図を元にプリント基板データを作成できる機能がついているので便利です。

今回は、「KiCAD7.0」の回路図エディターPCBエディターガーバービューアーを使用します。

 

作成したのは、次のような現在製作中の作品で使うLED制御用の回路図です。

回路図エディターを使います。

 

回路図で使っている抵抗や、NPN型のMOSFET、LEDなどには、プリント基板上に配置するためのフットプリント(基板と部品の接合仕様)を定義しています。

例えばLEDの部分はターミナルブロックでLEDを接続するので次のようなフットプリントにしています。

 

KiCADには、いろいろな部品のフットプリントがあるので、用途に応じて設定することができます。

 

回路図が完成したら次はプリント基板データの作成です。

 

プリント基板データの作成

プリント基板のデザイン

KiCAD7.0」のPCBエディターを使います。

PCBエディター上で、先ほどの回路図から部品を配置します。

次のように部品を配置しました。

今回はプリント基板の両面を使った2層(部品面とはんだ面)のプリント基板として作成しています。

プリント基板データ(両面表示)
プリント基板データ(両面表示)
プリント基板データ(部品面)
プリント基板データ(部品面)
プリント基板データ(はんだ面)
プリント基板データ(はんだ面)

 

製造用データの出力

プリント基板データ作成後、実際に製造するために必要なガーバーデータドリルデータを作成します。

まずドリル穴の基準点を設定します。

KiCAD7.0」のPCBエディターのメインメニューから「配置」-「ドリル/配置ファイルの原点」を選択します。

 

今回はプリント基板データの左下に原点を設定しました。

 

次にガーバーデータドリルデータを作成します。

今回、製造を依頼した際の「KiCAD7.0」でのガーバーデータドリルデータの出力設定は次の通りです。

KiCAD7.0」のPCBエディターのメインメニュー「ファイル」から「製造用出力」を選択して、

「ガーバー」を選択します。

 

 

ガーバーの出力設定は次のようにしました。設定はご自分のものにあった設定にしてください。

設定後、「プロット」ボタンを押すと作成されます。

 

ガーバー作成後、「ドリルファイルを生成」ボタンを押します。

今回は以下のように設定しました。設定はご自分のものにあった設定にしてください。

設定後、レポートファイル、ドリルファイル、マップファイルの生成をボタンを押して行います。

 

これで指定したフォルダにプリント基板製造用のデータが生成されました。

 

プリント基板製造用のデータ確認

生成されたデータを確認するためには、

KiCAD7.0」のガーバービューアーを使います。

ガーバービューアのメインメニューから
「ファイル」ー「ガーバープロットファイルを開く」を選択します。
先ほどデータを生成したフォルダを参照し、全てのファイルを選択して「開く」ボタンを押します。
次のようにガーバーデータが表示されます。
右側に各層が一覧表示されますので、チェックボックスをON/OFFすることで各層を確認できます。
以上で、プリント基板製造用データの作成は完了です。

ユニクラフトさんのWebサイトでユーザーを作成する

次に、見積り依頼に必要なユーザー登録を行います。

下記からWebサイトへアクセスします。

ユニクラフトさんのサイトはこちら>>クリック!

 

Webページの左側にある「会員様メニュー」から「新規会員登録」を選択します。

新規会員登録画面に必要事項を入力します。(個人の場合は、会社名や部署名は必要ありません)

 

画面下の「新規会員登録」ボタンを押すと登録されます。

設定したメールアドレス宛にメールが届くので確認します。

 

登録完了後に「会員様メニュー」からログインします。

 

 

プリント基板製造の見積りを依頼する

ログインが完了していると、操作メニューが表示されます。

操作メニューから「新規お見積り」を選択します。

 

依頼するサービスを選択

今回は、プリント基板製造用データを作成しているので、「新規基板」を選択し、

「お客様がガーバーデータをご用意」を選択します。

 

基板の選択

次に、基板の種類を選択します。

基板の種類は、4種類から選択できます。必要に応じて選択できるのが良いですね。

基板サイズ、層数、枚数などを入力します。

 

 

基板への印刷条件の設定

次にプリント基板上に印刷される銅箔の厚さや、基板の厚み、シルク印刷などの条件を設定します。

 

 

基板への加工条件の設定

基板の形、内部切り抜きの有無、長孔の有無など、プリント基板への加工条件を設定します。

 

 

付帯サービスの選択

導電テストや、リードタイム、部品実装の有無などを選択します。

最後に「次に進む」ボタンをクリックします。

 

 

作成条件の確認と製造データのアップロード

入力したプリント基板の条件の確認画面が表示されるので、条件を確認します。

少し下にスクロールして、次のフォームから、製造データをアップロードします。

作成したガーバーデータとドリルデータを一式まとめて圧縮(Zip)し、アップロードします。

ガーバーデータ、ドリルデータのファイル名のつけ方
アップロードするデータのファイル名は、次の画面下部で指定する
品番、製品名にしておくと取り違えがなくなります。

 

アップロードは「ファイルを選択」ボタンを押して指定します。

品番、製品名も設定できるので、必須ではないですが、再製造などのことも考えて設定しておくほうが良いと思います。

 

データのアップロード、申し込み内容の確認が済んだら、一番下までスクロールし、

「正式見積もりを依頼」ボタンをクリックします。

 

これで、見積り依頼は完了です。

見積の受け取り、発注

登録したメール宛に見積り連絡が来ます。

私の場合、見積り依頼した当日に最初のご連絡をいただきました。
このあたりのスピード感もよいです。もちろん日本語でのやり取りで安心でした

 

見積依頼内容の確認や、諸条件をやり取りして問題なければ、メールで正式発注を行います。

 

 

手元にプリント基板が届く

私の場合、1.5週くらいで届きました。

通常納期指定をしていたので問題はありません。

梱包もしっかりとされていました。

 

プリント基板は、以下のように密封処理されています。

 

プリント基板には、次のようなタグが貼付されていました。

これで追加注文することができるとのこと。

指定した品番もきちんと印刷されていました。(※画像は修正しています。)

 

実際の基板は次のようになっていました。

綺麗に印刷されていて、ドリル穴もずれなくしっかりとできています。

 

少し拡大してみてもよくできています。

ライティングで凹凸がわかるように映していますが、品質はかなりいいと感じました。

 

裏面の処理もいい感じです。

 

編集後記

いかがだったでしょうか。

今回は株式会社ユニクラフトさんのプリント基板製造サービスを利用してみました。

実際に部品をのせていくのはこれからですが、きれいに作られているのではんだ付けが楽しみです。

 

実際に使ってみた結果をまとめておきます。

品質 品質は良く問題なし! 5.0
コスト 国内サービスとしては安いです。
海外サービスよりは少し高い。
4.0
見積対応 対応が素早く、やり取りも日本語で伝えやすい。 4.5
納期 他のサービスと比べても遜色なし 3.5
梱包状態 丁寧な梱包がされていました。 4.0
総合 4.2

 

自作プリント基板をされている方が乗り換える場合にも、最適な品質と価格なのではと感じました。

また、試作品や、その後の量産についても安心して任せられますね。

見積依頼に対してのレスポンスも早く好印象でした。

 

皆さんも、一度利用してみてはいかがでしょうか。

 

今回の記事は以上です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

今回ご紹介したプリント基板製造サービスはこちら!

ユニクラフトさんのサイトはこちら>>クリック!