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【Raspberry Pi 】ラズパイの機能を管理(パッケージ管理)のすすめ

すけろく
んー
なんだか、変わってしまったのう
げんろく
どうした?
むずかしそうな顔をして。
すけろく
Raspberry Pi OSのPythonにパッケージを
入れるために「pip」を使ったら
コマンドを受け付けないのだ。
げんろく
うむ。
少し環境が変わっているからのぉ
よし確認してみるか。
Raspberry Pi OSでプログラムを実行する場合、Pythonを使うことも多いですが、Raspberry Pi OS(Bookworm)では、
Pythonで使うパッケージの管理の方法が変わっているようです。
いわゆる「pip」によるパッケージ管理が非推奨になっているとのこと。
ということは、Pythonの仮想環境を作ってやっていくか。
となるかと思います。
そこでこの記事では、Raspberry Pi OS(Bookworm)でのPython環境の管理について、まとめてみました。
調べていくと、いろいろと情報がありましたよー!
では、内容を見ていきましょう。

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基本的に設定はコマンドベースで行います。入力コマンドは、「コマンド」と色を付けて記載します。入力の結果出力される内容については、「出力」のような色で記載しています。
各コマンドの頭にある「$ 」はプロンプト部分なので、入力は不要です。
本記事の前提としては、以下の記事で設定を変更した環境としています。
先にこちらの記事を読まれることをおススメします。
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Raspberry Pi OS(Bookworm)におけるPython環境の管理

冒頭にあった、OS上のPython環境と、仮想環境のPython?

という少し複雑な内容について確認していきます。

 

Raspberry Pi OS(Bookworm)には、OSインストール時に、Python環境が標準で構成(ビルトイン)されています。

基本的にOSインストール時に構成されるPythonのバージョンは新しいものになるのが通例です。

しかし、「少し古いPythonバージョンで動くプログラムを実行したい」、「開発時はOSのPython環境をいじりたくない」

という場合はどうすればよいのでしょうか。

そこで使用されるのが、仮想環境です。

 

仮想環境を構成する際によく使われるのが、「venv」です。

後でも触れますが、完全に環境を別にして動作するのではなく、パスを変更して別のPython環境に切り替えるというものです。

では、OS上に構成されているPythonと仮想環境でどのような管理の仕方ができるのでしょうか。

次からひとつひとつ見ていきます。

OS上のPython環境を管理する

これまで、Raspberry Pi OS上でのパッケージ管理というと以下の2つのものが混在していました。

  • システムパッケージ管理(apt を使用)
  • Pythonパッケージ管理(pip、pip3などを使用)

問題は、この2つのパッケージ管理機能(パッケージマネージャ)が競合することがある点です。

OSの構成を提供するディストリビューション(Debianなど)で管理しているPythonパッケージを

Pythonパッケージ管理(pipなど)で勝手に環境変更してしまうことの問題があったのです。

 

そこで、Pythonの機能拡充のための提案(PEP:Python Enhancement Proposal )の「PEP 668」では、

「Python固有のパッケージマネージャは、仮想環境上での実行を推奨すべき」というものが発表されました。

Python Enhancement Proposals (PEPs)

A long-standing practical problem for Python users has been …

Raspberry Pi OS(Bookworm)では、その内容が実現されています。

変更点を簡単にまとめると以下の通りです。

pipなどのPython固有のパッケージインストーラが実行された場合のチェック

①仮想環境外での実行かどうか。[ sys.prefix==sys.base_prefix ] ②以下のチェックを行い、ディストリビューションで管理されたパッケージかどうかを判断します。
EXTERNALLY-MANAGEDで識別されるディレクトリにファイルがあるか
[ sysconfig.get_path(“stdlib”, sysconfig.get_default_scheme()) ]

→両方の条件が当てはまる場合、Python環境のディレクトリへのパッケージのインストールが
仮想環境外では無効である旨のメッセージを表示して終了します。

Raspberry Pi OSでも以下のとおり表示されます。

Raspberry Pi OSのもとになっているDebianというディストリビューションで管理されていない

パッケージをインストール指示する際は、仮想環境(venv)を使うよう記載されています。

error: externally-managed-environment

× This environment is externally managed
╰─> To install Python packages system-wide, try apt install
python3-xyz, where xyz is the package you are trying to
install.

If you wish to install a non-Debian-packaged Python package,
create a virtual environment using python3 -m venv path/to/venv.
Then use path/to/venv/bin/python and path/to/venv/bin/pip. Make
sure you have python3-full installed.

For more information visit http://rptl.io/venv

note: If you believe this is a mistake, please contact your Python installation or OS distribution provider. You can override this, at the risk of breaking your Python installation or OS, by passing --break-system-packages.
hint: See PEP 668 for the detailed specification.

管理されているパッケージについては、以下のコマンド形式でインストールすることができます。

apt install python3-xyz    →xyzはパッケージ名

 

Pythonの仮想環境を管理する

前述のとおり、開発などを行う場合は、主に仮想環境を使用するほうが推奨ということになります。

ここでは、仮想環境の構成方法を確認していきます。

OS上のPython環境を確認する

仮想環境を構築する前に、OS上にあるPythonにインストールされているパッケージを確認してみます。

仮想環境を作った際には、パッケージはインストールされていない状態なので、各自で必要なものをインストールする必要があります。

 


SSHを使ってRaspberry Pi にログインします。
ログイン後、以下のコマンドを実行します。

$ pip list

コマンドを実行するとインストール済みのパッケージが出力されます。

Package    Version
---------------------------------- ----------
asgiref     3.6.0
astroid     2.14.2
asttokens      2.2.1
attrs      22.2.0
~ 中略 ~
wheel      0.38.4
wrapt      1.14.1
zipp      1.0.0

Pythonでよく使う「numpy」や、「pigpio」は既にインストールされていることがわかります。

Python仮想環境を構成する

Raspberry Pi OS上にPython仮想環境を構成します。

今回は「venv」を使います。

今回はOS上にあるPythonと同じバージョンを構成します。

 



Raspberry Pi OS上のPythonバージョンを確認します。

次のコマンドを実行します。

$ python -V

実行するとバージョンが出力されます。

$ python -V
Python 3.11.2


次にPython仮想環境を「env」というフォルダに構成します。

次のコマンドを実行します。

$ python -m venv env

2~3秒ほど経過後して処理が終わったら、プロンプトが戻ってきます。(次のコマンドが実行可能な状態)

これでPython仮想環境が構築できました。

Raspberry Pi OS上にあるPython環境で設定されているパッケージ内容を
仮想環境でも利用できるようにするには、仮想環境作成コマンドを
以下のように変更すればよいです。(コマンド例)

$ python -m venv --system-site-packages env

 

 



作成すると「env」というフォルダ内に環境が作成されています。

※「env」フォルダ配下に次のフォルダが作成されます。
  • 「bin」…仮想環境を有効化するための実行ファイルなどが保存されています。
  • 「lib」「lib64」…フォルダ内にパッケージがインストールされる「site-packages」があります。


仮想環境を有効化します。
次のコマンドを実行します。
$ source env/bin/activate
実行するとプロンプトの表示が以下のようになります。
"user"@"host" $ source env/bin/activate
(env)"user"@"host" $
(env)という表記がプロンプトについた状態になります。
この状態だと、Python仮想環境が有効化されています。


Python仮想環境のバージョンとインストールされているパッケージを確認します。

次のコマンドを実行します。
(env) $ python -V
Python 3.11.2
また、パッケージを確認します。
(env) $ pip list
Package   Version
----------   -------
pip      23.0.1
setuptools   66.1.1
最低限のパッケージのみインストールされていることがわかります。


パッケージをインストールしてみます。

「pip」を使って「numpy」をインストールします。
(env) $ pip install numpy
インストール後にパッケージを確認します。
(env) $ pip list
Package   Version
----------   -------
numpy     2.2.4
pip      23.0.1
setuptools    66.1.1
「numpy」がインストールされていますね。
プログラムを作成する際は、仮想環境を有効化した状態で行います。


Python仮想環境の使用を停止する場合は「無効化」します。
次のコマンドを実行します。
(env) $ deactivate
実行後は、次のように標準のプロンプトに戻ります。
(env) "user"@"host" $  deactivate
"user"@"host" $

編集後記

いかがだったでしょうか。

今回の記事では、Raspberry Pi OS上のPython環境におけるPythonパッケージの管理についてまとめました。

「PEP 668」による変更を知ることでより理解が深まったかと思います。

今後もRaspberry Pi OS(bookworm)上でのプログラミングについて記事にしていきます。
ご期待くださいね!

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