これでAIの実装ができるぞ。
ん!?Wi-Fiがないではないか・・・ということは
Bluetoothも・・・ないっ!!!!
NVIDIA Jetsonに手を出したのか??
仕方がない。Jetsonの基本を押さえていこうではないか。
NVIDIA Jetsonといっても、市販されているパソコンのように用途に応じて様々な形、大きさのモデルがあります。Raspberry Piとは異なり、処理の中心となる機能(CPU/GPU、メモリ)などが搭載されている主ボードと。それを試用するための開発用ボードに分かれていて、商用で製品に搭載するときなどは、主ボードを製品基板に組み込む形になります。
一般的にRaspberry Piのように使おうと思う場合は、開発用ボードがついた開発キットを買うことになります。
NVIDIA Jetson の開発キット(Developer Kit)のラインナップと主な仕様は次の通りです。
カメラを2つ接続して試すなら、NVIDIA Jetson Nano (4GB) developer Kit をおススメします。
とりあえず触ってみたい!という方は、NVIDIA Jetson Nano (2GB) developer Kit がいいでしょう。
製品名 | スペック(概要) | イメージ | サイズ(㎜) |
Jetson Nano (2GB) Developer Kit |
CPU:ARM® Cortex® -A57 MPCore (Quad-Core) : 1.43GHz GPU:128-core GPU メモリ:2GB LPDDR4 ストレージ:microSD (not included) 通信:10/100/1000 BASE-T Ethernet カメラ:1×MIPI CSI-2 camera connector 画面:HDMI USB:: 1x USB 3.0 Type A, 2x USB 2.0 Type A, 1x USB 2.0 Micro- |
(縦)100×(横)80 (高さ)29 |
|
Jetson Nano (4GB) Developer Kit |
CPU:ARM® Cortex® -A57 MPCore (Quad-Core) : 1.43GHz GPU:128-core GPU メモリ:4GB LPDDR4 ストレージ:microSD (not included) 通信:10/100/1000 BASE-T Ethernet カメラ:2x MIPI CSI-2 DPHY lanes 画面:HDMI 2.0 and eDP 1.4 USB:: 4 x USB 3.0, USB 2.0 Micro-B Other:M.2 Key E |
(縦)100×(横)80 (高さ)29 |
|
Jetson Xavier NX Developer Kit |
CPU:ARMv8.2 (64-bit) heterogeneous multi-processing (HMP) CPU GPU:384 NVIDIA® CUDA® cores | 48 Tensor cores メモリ:8 GB LPDDR4 ストレージ:microSD (not included) 通信:10/100/1000 Gigabit Ethernet カメラ:2x MIPI CSI-2 DPHY lanes 画面:HDMI and DP USB: 4x USB 3.1, USB 2.0 Micro-B Other:M.2 Key E (WiFi/BT included), M.2 Key M (NVMe) |
(縦)103 ×(横) 90.5 (高さ)31 |
|
Jetson AGX Xavier Developer Kit |
CPU:8-core ARM v8.2 64-bit CPU, 8MB L2 + 4MB L3 GPU:512-core Volta GPU with Tensor Cores メモリ:32 GB LPDDR4x ストレージ:microSD (not included) 通信;10/100/1000 Gigabit Ethernet カメラ:16x MIPI CSI-2 レーン、最大 8 カメラ 画面:HDMI 2.0, eDP 1.2a, DP 1.4 USB:2x USB3.1, USB 2.0 Micro B C Other:M.2 Key E (for Wi-Fi / LTE / 5G), M.2 Key M (NVMe x 4) |
スイッチサイエンスさんで確認 |
(縦)105×(横)105 (高さ)65 |
上記のように開発者キットはいろいろあり、迷うところですね。
Wi-Fi/Bluetoothでの通信を含めまんべんなく試してみたいという方は、Jetson Nano(4GB)をおススメします。
Jetson Nanoを活用するために、知ってほしいこと
えっ、Jetsonも電源別売り?・・ですです。
Jetson Nano Developer Kit製品を買うと、Jetson Nano Module が搭載された開発ボード本体が1つ入っているだけです。
電源はついていません。
「えっ?」という感じですよね。Jetson Nano Developer Kitを行うために、電源アダプターなどの継続した電源供給ができるものを準備しましょう!
給電方法はJetson Nano モデルによって異なります。すべてのモデルで 5V の電源が必要ですが、供給される電流は給電方法によって増減します。
ここで、主なJetson Nano Developer Kit製品の電源要件をまとめておきます。
製品名 | 推奨PSU 電流容量(A) |
GPIO/USB/Camera等周辺機器 最大電流(A) |
Nano Module 電流消費量(A) |
電源供給方法 |
Jetson Nano (4GB) Developer Kit |
Micro B USB 5V 2ADC Power Jack 5V 4A |
Nano Module/USB/HDMI/FAN etc Micro B USB給電:5V 2A DC Power Jack給電:5V 4A※上記5V→3.3V→1.8Vを作っています。 3.3V 1.5A (Camera/M.2 key E/Gbit LAN etc) 1.8V 100mA (Level Shifters) |
5V1~2A (5W~10W) |
Micro B USB または DC Power Jack |
Jetson Nano (2GB) Developer Kit |
USB Type C 5V 3A |
※1 | ※1 | USB Type C |
※1 具体的な資料が見つけられなかったので記載していません。接続できるモジュール(カメラなど)が減っていますが、おそらく給電方法が違うだけで3.3Vや1.8Vの作り方は同じだろうと思います。。。
Jetson Nano Module(4GB)は、5W~10W(5V 1A ~ 2A)になっているので、USBやCamera等のモジュールを使いながらGPUをギュンギュン回す場合は、DC Power Jackで5V 4Aを給電したほうが良いです。
Micro B USBによる給電は、あくまでも機能テストや構築時に使うといった形です。
例えば、USBキーボード、マウス、HDMIのディスプレイをつなげる場合は、その分を確保しないと安定しませんので注意が必要です。
えっ、Wi-Fi/Bluetoothも別売り?・・ですです。
この部分は重要です。
なんとJetson Nano Developer KitにはWi-Fi/Bluetoothモジュールが実装されていません。
有線LANのみなんですよね。
せっかく使うならJetson Nano Developer KitをWi-Fiで!ということで以下の2つの方法があります。
- Jetson Nano Developer KitのM.2 Key Eに対応したWi-Fi/Bluetoothモジュールを取り付けるJetson Nano Developer Kit には、開発ボード側にM.2 Key Eスロットが準備されています。
そこに通信モジュール(Wi-Fi/Bluetooth)を差し込んで使用することができます。現在のところ、下記の製品一択にのようです。
私も使っていますが、特に問題なくOSからも認識し、利用できています。
また、カードだけでなくアンテナケーブルとアンテナも別途購入する必要がありますので、おすすめを掲載しておきますね!おすすめの通信モジュール
Wi-Fi/Bluetoothカード
USBドングルと違って開発ボードに搭載できるので省スペースでおススメです。デュアルバンド 2.4GHz/5.0GHz
Bluetooth 4.2アンテナ関連8265NGW対応のアンテナケーブルの先端に付けるアンテナです。基本ネットワークカードにはこのアンテナはついていないのでケーブル同様に別途購入が必要です。
小さいのでつけていてもあまり気にならない感じです。
通信モジュール(Intel Dual Band Wireless-AC 8265 8265NGW) の搭載方法
3
Jetson Nano Developer KitからJetson Nano Moduleを取り外します。Jetson Nano Moduleの側面にある2本のネジを外し、両手でSODIMMラッチを開きます。4
一度、Jetson Nano Moduleを取り外し、開発ボードのみにします。(写真右)5
開発ボード側にあるM.2 Key Eスロットに通信カードを指仕込み、ネジで固定します。6
Jetson Nano Moduleをもとのスロットに差し込んでネジで固定します。7
このようにアンテナが出るような形になれば、作業は完了です。 - USBポートにWi-Fi/Bluetooth通信用のドングルを取り付ける他の方のブログなどで紹介されているUSB接続のドングルを取り付ける方法です。
こちらはJetson Nano Developer KitのUSBポートに指すことで有効になります。
ただし、対応しているWi-Fi規格が古いです。
※こちらは、当方では、動作確認をしていませんのであくまでも参考です。(参考)Wi-Fi USB ドングル
他のブログ等で紹介されているものです。通信規格は古いので要注意です。
OSはどこにいれるの?起動(ブート)方法
Jetson Nanoは、パソコンと同じようにOS(オペレーションシステム)を入れたディスク(ストレージ)が必要です。以下のストレージを使用します。
- Micro SD カード
最も基本的な構成です。Jetson Nanoの特性上、IoTなど小型省スペースでの設置を求められることが多いので、外付けディスクなどをつけるよりスペースや電源消費量などでメリットがあります。
この記事では、「Micro SDカード」を使用した起動方法について記載します。
最適なmicroSDカードとは?
Micro SDカードには、規格やクラスがたくさんあり、Jetson Nanoで動かしたいアプリやプログラムにマッチしたものを選択することが重要になります。
当サイトでは、microSDの規格やクラスについてまとめた記事を掲載しています。
SDカードの仕組みからmicroSDカードの選択時の条件について解説しています。
おすすめのMicro SDカードもご紹介していますので、ご覧ください。
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どうやって操作するか。選ぶ。
Jetson Nano Developer Kitを使用開始するには、次の2つの方法があります。
※Jetson Nano Developer Kit製品は、どの製品もディスプレイやキーボードなどは標準ではついていません。
- ディスプレイ、キーボード、マウスを接続する
パソコンと同じように、Jetson Nano Developer KitのHDMI端子にディスプレイ、USBポートにキーボード、マウスを接続します。キーボードとマウスはUSBタイプ(有線接続)があれば、そのまま接続して利用できます。
最低限、有線キーボードがあれば作業が行えます。Bluetoothマウスは、初期設定の後で登録して使うこともできますよ。
最近はBluetoothキーボードが流行っているようですが、Bluetooth障害時に使える有線キーボードがあったほうが便利ですよ。
Raspberry Piとは異なり、Jetson Nano Developer Kitは、4GBモデルも2GBモデルもHDMI TypeA端子がついています。このあたりは安心ですね。
ディスプレイ側も最近、デスクトップ向け(HDMI)とモバイル向け(MiniHDMI)がありますので、HDMIケーブルは環境にあったものを選択しましょう。
キーボード・マウスやディスプレイ周りのおすすめ商品については、次の資料の「オプション品」でご紹介しています。参考までにどうぞ!
Jetson Nano Developer Kitを始めるためのお買い物リストをまとめました!ぜひご覧ください。
関連記事こんな悩みありませんか? 「Jetson Nano はじめたいけど、何があれば遊べるの? いくらかかるの?」 そんなご質問に答えるべく、購入品リストをまとめてみました。 本記事は以下の記事「【Jetson Nano】まずや[…]
- JetCardを使用してパソコンにJetson Nano Developer KitをUSBで接続する
JetCardというNVIDIAのプロジェクトで公開されている機能を使ってパソコンのUSBポートにJetson Nano Developer Kitを接続して起動します。
パソコンからJetson Nano Developer Kitにアクセスする方法はリモート操作と同じSSHを使います。
この機能を使うためには、JetCardプロジェクトで公開されている OS Imageを書き込んだmicroSDカードを使用します。
※上記の①および②の方法でネットワークなどの初期設定を完了させた後は、SSHやVNCなどでリモートから操作することができます。
Raspberry Pi OSをMicroSDカードに書き込む
使用できるOSについて
Jetson Nano Developer Kitは、専用のOS(Ubuntuベース)が提供されています。
今回の記事では、Jetson Nano Developer KitのHDMIにディスプレイ、USB有線でキーボードを接続した環境で初期設定を行う手順についてご紹介します。
JetCardを使用したパソコン直結からの環境設定方法は、別の記事にてご紹介しますね!
Jetson Nano Developer Kit用 OS Imageのダウンロード
Jetson Nano Developer Kit用のOS Imageのダウンロードの手順を次にご紹介します。
Windows10のパソコン上にてUSBドライブにSDカードリーダを設定した状態を想定して書いています。
ダウンロードしたイメージをSDカードに書き込みます。
NVIDIAのドキュメントページで推奨されている
「belenaEtcher」の画面で、「Flash Image file」を選択します。
先ほどダウンロードしたOS Imageを選択します。
「Select target」を選択します。
表示されるUSBデバイスの中から、書き込みをおこなうSDカードドライブを選択して「Select」ボタンを押します。
最後に「Flash」ボタンを押します。
SDカードへの書き込みが完了したら、アプリを終了し、USBドライブからSDカードを取り出します。
Jetson Nano OSの初回起動時の設定方法
Jetson Nano OSの初回起動設定
Jetson Nano Developer Kit用のOS を書き込んだSDカードを挿入し、起動してOSの初回設定を行う手順をご紹介します。
OSイメージを書き込んだmicroSDカードをJetson Nanoのモジュールに挿入し、開発ボードに組付けます。※開発ボードにJetson Nanoのボードを組み込んでいる状態でもmicroSDカードは抜き差しできます。
Jetson Nano Developer Kitにディスプレイ、USB有線キーボードを接続し、電源を挿入して起動します。
NVIDIA社のライセンスへの同意画面が表示されますので、「I accept the terms of these licenses」をチェックして「Continue」を押します。
言語選択画面で「日本語」を選択し、「続ける」を押します。
キーボードレイアウトを選択して「続ける」を押します。
M.2 Key Eに組み込んだ無線モジュールが認識されると、Wi-Fiの選択画面が出てくるので、対象のWi-Fi SSIDを選択します。「続ける」を選択します。
指定したWi-Fiのパスワードを聞いてきますので入力し、「Connect」を押します。※接続が完了するのを待って
「続ける」を押します。
ロケールの設定では「Tokyo」を選択し「続ける」を押します。
ユーザのID情報を聞かれますので必須事項を入力し、「続ける」を押します。
パーティションサイズを聞いてきます。適宜必要なサイズを入力して、「続ける」を押します。
NVPといわれる動作モードを選択する画面が出てきますので、デフォルトの「MAXN」を選択して「続ける」を押します。※省電力のモードが良い場合は、「5W」を選択します。
自動的に再起動し、ログイン画面が表示されるのでユーザを選択し、パスワードを入力します。
ログイン後、デスクトップが起動します。これで初回セットアップは終了です。
編集後記
少し長文になりましたが、Jetson Nano Developer Kitを使い始める際の注意事項と、セットアップ手順をまとめてご紹介しました。
Raspberry Piと同様に最低限のキットしか本体には付属していないため、追加購入が必要になってきます。特に通信モジュールの購入は注意が必要です。
最低限必要な購入品については、以下の記事でご紹介しています。参考にしてくださいね!
Jetson Nano Developer Kitを始めるためのお買い物リストをまとめました!ぜひご覧ください。
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