ブレッドボードとマイコンで回路を作っているのだが
マイコンに配線すると、ブレッドボード側が外れてたりして
安定した配線ができないのだ。
場所もとるし。
うむ。日々精進しているようだな。
そのような悩みが出てきたのか。
よし、解決策を考えてみよう。
マイコンとブレッドボードを使った電子工作をしていると、こんな悩みはありませんか?
- ジャンパー線の配線が、知らない間に抜けてている(または不安定になる)
- 場所を移動する際に、せっかく作った回路が崩れてしまう
- コネクタの場所によって、マイコンの置き方が不安定なものになる
- 配線が混雑してしまい、後から見ても分かりずらい
など
一度は、こういったことに出くわしたことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、このマイコンとブレッドボードを使った電子工作の悩みを解決してみようと思います。
そもそも、悩みを生み出しているものは何だろう?
今回の悩みを生み出しているのは、ずばり以下のポイントだと考えられます。
ブレッドボードに置けないマイコンやセンサーなどの置き方が安定しないから
次の画像のように、ブレッドボード上に配置し、配線している限り、マイコン(PICなど)もセンサー(距離センサーなど)も固定できているので安定しています。
また、配線が、ブレッドボード上で完結している限り、配線の抜けや、移動時の崩れなども少ないですよね。
しかし、最近の当ブログでもご紹介している、「Raspberry Pi」や「Arduino」、「M5Stack」、「Micro:bit」などは、ブレッドボードに直接配置できず、ブレッドボード外に置いて、そこから配線をすることになります。
そのため、固定されていないマイコンに配線しているとジャンパ線が引っ張られたりするので、すでに配線したブレッドボード側が抜けたりします。
この作業をしている際にも「M5Stack Core2」の画面を確認するためにひっくり返すと、配線したものが抜けたりしていました。。。
そこで、ブレッドボードに配置できないマイコンやセンサーなどを、ブレッドボードと一緒に固定する方法を考えてみました。
マウントという発想
解決策として、ブレッドボードに、マイコンや、センサーなどを「マウント」し、自由に取り外しできるようにするのはどうかと考えました。
「マウント」方法を考えるにあたり、以下のポイントを考慮しました。
- 縦横サイズや高さの違うマイコンやセンサーなどに対応できるか
- 配線時や、電源投入、ボタン押下時には、マイコンの上下左右、表裏すべてからアクセスできるようにできるか
サイズ( 縦×横×高さ)の違いに対応できるか
マイコンやセンサーなどは、サイズがさまざまなものがあります。
取り付け用のネジ穴についても、場所が異なります。
各種機器を固定するには、穴の位置を自由に選択できるよう、等間隔でたくさん穴が開いているものが良さそうです。
ということで、今回目に留まったのが、こちら。
この記事で使用したマイコン、センサー固定用の部材はこちら!
タミヤ 楽しい工作シリーズ
ユニバーサルプレート
タミヤ(TAMIYA)
¥500
(2024/10/03 23:39:57時点 Amazon調べ-詳細)
楽しい工作キットで作るものを取り付けるベースになります。
私は、試作をする際に、このプレートの上にいろいろ固定して動かしています。おすすめとしては、このプレートの四隅にスペーサなどを取り付け、少し地面から浮かせるようにすると、部品を取り付けた際のナットやネジの出っ張りを吸収できますよ!ぜひ試してみてくださいね!
<含まれるもの>
プレート本体/取付パーツ/ネジ、ナット類(M3のみ)
タミヤ(TAMIYA)
¥562
(2024/10/03 23:39:57時点 Amazon調べ-詳細)
160×60mmのユニバーサルプレートと、3×8mmプッシュリベットが18個と、アングル材とシャフトを固定するための軸受け各4個同梱されています。カッターとニッパーがあれば、切り出し、切断が可能なので長さを自由に変えることができ、ねじ止めする箇所を5㎜間隔で設けられた穴から選択して組んでいけるため、自由度が高いです。切断部分は、紙ヤスリなどで研磨してきれいに加工することができます。
手持ちのいろいろな機器をレイアウトしてみました。
「Arduino Uno」、「透過型OLED」などは、止めるネジ穴を工夫することで固定することができました。
固定には、タミヤ楽しい工作シリーズの「ブッシュリペット」を使うことで、めんどくさいねじ止めもなくすことができます。
画像の左下にある「Raspberry Pi Zero WH」は、次のパーツを使うことで固定できましたよ。
ユニバーサルプレート用スライドアダプタ
タミヤ(TAMIYA)
¥380
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Raspberry Piや、自作の回路基板にある取付穴の場所に合わせてスライダーを調整することで、基板を固定できるアダプタになります。Raspberry Piなどを固定したい場合に非常に使いやすい商品です。
【注意】この商品で準備されているナットはM3(3㎜径)になるのでRaspberry Piなどを固定する場合は、Raspberry Piの穴径(M2.6:2.6㎜)に合わせたナットを準備することで対応可能です。ご心配なく!
<含まれるもの>
スライドアダプター/ネジ、ナット類(M3のみ)
配線時や電源投入、ボタン押下時に、機器の上下左右すべてからアクセスできるか
先ほどのユニバーサルプレートでも、ある程度は固定できましたが、M5StackやM5StickC Plusなどは、ちょっと難しいですね。
というのは、配線を行う際に、機器の裏側や、側面、などにあるコネクタを使用するからです。
先ほどの固定方法では、側面にアクセスできない場所ができるなど使い勝手が悪くなります。
こういった機器については、専用のホルダーを準備してもいいかと考えました。
そこで、使うことが多い、「M5Stack」に対応できるホルダーを3DCADで作ってみました。
ホルダーには、Goproなどで使われるマウント用ハンドルをつけています。
ホルダーにある穴は、配線時にジャンパー線を整えるのに使用できます。
ブレッドボードにマウントする方法
ブレッドボードにマウントするための仕組みとしては、以前作った「Gopro マウント for 一眼カメラ」を元にしました。
一眼カメラのアクセサリシューにマウントでき、Goproのマウントシステムを持つ便利ツールです。
このマウントツールを使って固定できるように、ブレッドボードを固定する土台を3DCADで作成しました。
また、ブレッドボードを固定できるように固定用のパーツも設計しています。
これで、前述した、「M5Stackホルダー」を取り付けることができ、かつ前後に回転させることができるようになります。
また、その他のマイコン、センサー類を取り付けるユニバーサルプレート用のホルダーとして、次のものも準備しました。
組み上げた際のイメージは次のようになります。
試作品を作るよ!
出来上がった3DCADを使って、3Dプリンターで試作品を印刷していきます。
この記事で使用した3Dプリンターはこちら!
3Dプリンター(キット)
オープンソースの3Dプリンターの仕様を作った技術者が作った会社の3Dプリンターです。この商品は、自分で組み立てることが前提です。マニュアルも日本語化されていて、組み立てで特に手順に困るということはありませんでした。非常によくできた製品で、印刷品質も高いので非常に満足できます。
ちなみに「HARIBO」というお菓子もついている(笑)ので楽しみながら組み立てられます。
3Dプリンター(組み立て済み)
オープンソースの3Dプリンターの仕様を作った技術者が作った会社の3Dプリンターです。この商品は、すでに完成済みで調整もされているものです。私は自作キットのほうを購入しましたが、非常によくできた製品で、印刷品質も高いので非常に満足できます。
買ってすぐに印刷が楽しめるのもいいですね!
また、造形に使う素材(フィラメント)は、次のPETGフィラメントを使いました。
PETGは少し弾力性があり、ねじ止めなどパーツを組み上げるようなモデルの造形にピッタリです。
非常にきれいにまかれていて、印刷していて安心感がある製品です。私が購入した白色は、執筆時点でAmazonでは表示されなかったので、同社の他の色をご紹介しておきます。印刷品質もよく、研磨もできる素材なのでおススメです。
3Dプリンターで印刷するために、3DCADデータを変換します。
変換には、今回使う3Dプリンター専用のソフトウェア「PrusaSlicer 2.5.0」を使いました。
では、実際に印刷して組み立てていきます。
印刷工程と、組み立て工程を動画にしていますので、ぜひご覧ください!
出来上がったパーツは次の通り。
うまく印刷できました~
実際に使ってみた
出来上がったブレッドボードホルダーや、M5Stackホルダーなどを組み立てて、結線してみました。
ユニバーサルホルダーには、次のようにユニバーサルプレート以外にもスチレンボード、プラ板などをつけることもできます。
M5Stackの背面からの結線も綺麗に固定できています。
M5Stackホルダーも、M5Stack Grayや、M5Stack Core 2などをきちんとマウントできました。
配線用の穴を使うと、ジャンパ線をM5Stackのコネクタに固定しやすくなりました。
編集後記
いかがだったでしょうか。
実際にマイコンやセンサーなどを固定してみると、組み上げる際にやりやすく、動作させる際も安定しているので非常に便利です。
また、タミヤの楽しい工作シリーズのユニバーサルプレートや、アームなどと組み合わせると様々なものをマウントできるのではないでしょうか。
今回作成した試作品は、ぜひ、皆様にも使っていただきたいと思っています。
現在、どうしたらご提供できるか、検討しています。
ぜひ、当サイトのお問い合わせページから、ご意見いただければ幸いです。
記事は以上になります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事で使用した3Dプリンターはこちら!
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