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第7回 電源は何Vで供給するか -HAKO-

ミニケース「KARAKURI -HAKO-」に実装する各部品に供給する電力構造を検討します。 ミニケースに搭載する部品の中で、電力が必要なものをまとめて、消費電力から電源供給に使用するものと 供給方法について検討します。

1.電気を使用するものは?

使用する部品の中で電力が必要なものは以下のものがあり、電圧と電流は以下のようになりました。

使用部品と役割 電圧 電流 消費電力(最大)
M5StickC (制御用コンピュータ) 5V 100mA 0.5W
Cooler Master MasterFan MF120 Halo (冷却用ファン) FAN用:12V LED用:5V

FAN用:250mA
LED用:550mA

FAN用:3.0W LED用:2.75W
DHT11 (温湿度センサー) 3.3-5.5V 0.3mA 0.0015W
【表:電力消費部品一覧】      

上記では5Vと12Vで稼働するものが混在している形となります。

2.電力供給の方法

 

ミニケースは使用する際には以下のポイントを考慮して、電源はコンセント(100V)からとることにします。

ポイント   
 ・常時電源をオンにし、冷却をし続ける
  
 ・設置場所は据え置きを考えている

コンセントに接続するアダプターは、上の表から5Vと12Vのどちらかに変換するものが良いことがわかります。

一度5Vか12Vで取り込んだものを各部品に合わせて変圧して供給する形ですね。
今回は、12Vで入力する形で考えてきます。

120㎜FANのFAN用そのまま使用できます。M5StickCやDHT11、LED用向けに5Vに変圧します。

コンセントから取得する電流の計算は以下のように考えました
a: 100mA(M5StickC)b: 550mA(LED用)c: 250mA(FAN用)d: 0.3mA(DHT11)
 a+b+c+d ≒ 0.93A

  上記に加えて20%くらいの余裕をみて1.11Aくらいと考え、電源アダプターは12V(1.5A)を使うことにしました。以下のものを準備しました。 今後記載する電子部品との関係で、アダプターは「センタープラス」のものを購入しています。 ご注意ください。

電源アダプター

12V1.5A出力の電源アダプターです。
PSEマーク認証がとられているものを選定しています。
  • この商品はセンタープラスの電源アダプタです。

 

 

3.変圧の方法


12Vの電圧を5Vに変圧する仕組みを考えます。

DC-DCコンバータで変圧を行うことができますが、電子部品を販売しているお店で売っているキットでは、変圧のための基板が大きくなったり、変圧後の出力電圧を変更できるなどの便利機能が付いています。今回の構成ではオーバースペックとなりますので単純に三端子レギュレータとコンデンサを使って12Vを5Vに変圧します。

三端子レギュレータ( 3-Terminal regulator)とは
シリーズレギュレータの1種で、名前の通り3本の端子を備えて、定電圧回路を簡単に構成できる電子部品(半導体素子)。電気製品の電源部に使用されます。機能的にはリニアレギュレータの分類です。
具体的には以下の図のように、入力(IN)、出力(OUT)、接地(GND)があり入力側に変圧元の電圧をかけると出力側にはその製品に対応する電圧を取り出すことができます。入力電圧>出力電圧になります。
また、製品によって流すことのできる最大電流値が決まっているため、変圧する電圧と電流の値をもとに製品を選定します。
今回使用する製品は
入力電圧:12V、出力電圧:5V、電流値:900mAを基準に製品を選定します。
今回使用するのは、秋月電子さんのページで販売されている以下のものを使います。
変圧回路に必要なものがセットになっているので安心です。

低損失三端子レギュレータ

低損失三端子レギュレーター 5V1A TA4805S

秋月電子さんの通販サイトURLはこちら

評価: 5.0
価格: 5.0
げんろく
げんろく

三端子レギュレータと回路で使用する電解コンデンサ(47μF)、積層コンデンサ(0.1μF)がセットになった商品です。
6V~16Vまでの電圧を5Vに変圧する際に便利です。
説明書も付属していて、一般的な回路図なども載っているのでわかりやすく親切でした。

 

だいたい必要なものが見えてきましたね。
電源の供給については以上で終わりです。
次は、実際に各部品へ信号と電力を届けるための回路を設計し、必要な部品や、信号の種類を洗い出します。