ベタな反応はしないぞ。Raspberry Piだろ?
まあ、その通りだが。。。
今回は初期設定を学びたいと思っている。
OSのインストールから初期設定までを教えてやろう。
まずは、OSのインストールと初期設定からご紹介します。
今回使用したRaspberry Pi はこちら!
Raspberry Piと一言にいっても、市販されているパソコンのように用途に応じて様々な形、大きさのモデルがあります。一般的によく使われるモデルは次の通りです。
今購入するとすると、「4 Model B」「 zero W」になります。「4 Model B」はメモリが2GB、4GB、8GBと選択できるので、用途にあった選択をすることができます。
製品名 | スペック(概要) | サイズ(㎜) |
4 Model B | CPU:Broadcom BCM2711, Quad core Cortex-A72 (ARM v8) 64-bit SoC @ 1.5GHz メモリ:2GB, 4GB or 8GB LPDDR4-3200 通信:2.4 GHz and 5.0 GHz IEEE 802.11ac wireless, Bluetooth 5.0, BLE,Gigabit Ethernet 画面:2 × micro-HDMI ports(4K60) Disk:Micro-SD card slot for loading operating system and data storage USB:2×USB3、2×USB2 USB-C(Power Supply) |
(縦)56×(横)85 (高さ)13.5 |
3 Model B+ | CPU:Broadcom BCM2837B0, Cortex-A53 (ARMv8) 64-bit SoC @ 1.4GHz メモリ:1GB LPDDR2 SDRAM 通信;2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac wireless LAN, Bluetooth 4.2, BLE Gigabit Ethernet 画面:Full-size HDMI Disk:Micro SD port for loading your operating system and storing data USB:4 ×USB2 ports |
(縦)56×(横)85 (高さ)13.5 |
zero W/WH | CPU:1GHz single-core CPU メモリ:512MB RAM 通信;(Zero Wのみ) 802.11 b/g/n wireless LAN, Bluetooth 4.1 Bluetooth Low Energy (BLE) 画面;Mini HDMI port Disk:Micro SD port USB:Micro USB , Micro USB( Power Supply) |
(縦)30×(横)65 (高さ)13.5 |
※ほかにもRaspberry Pi 1ModelA+/B+や2ModelB、3ModelA+/B/B+などもあります。
※zero Wとは違い、Raspberry Piの持っているGPIOのインタフェースにヘッダーピンがはんだ付けされているのが「zero WH」になります。はじめは「zero WH」をおススメします。
※また、最近Raspberry Pi Picoというマイクロコンピュータ搭載のものもでてきました。こちらについては、今後取り組んでいきますのでお楽しみに!
この記事では、前述の「4 Model B」と「zero W」に関する情報をご紹介します。
Raspberry Piを活用するために、知ってほしいこと
えっ、電源別売り?・・ですです。
Raspberry Pi製品を買うと、Raspberry Pi本体が1つ入っているだけです。
電源はついていません。
「えっ?」という感じですよね。組み込みを行うRaspberry Piの場合は、組み込み先に電源(バッテリーなど)があるのでそこから供給する形になりますが、これから開発を行うために、電源アダプターなどの継続した電源供給ができるものを準備しましょう!
電源要件は Raspberry Pi モデルによって異なります。すべてのモデルで 5.1V の電源が必要ですが、供給される電流はモデルによって一般的に増減します。 Raspberry Pi 3 までのモデルは microUSB 電源コネクタが必要ですが、Raspberry Pi 4 Model B は USB-C コネクタを使用します。
ここで、主なRaspberry Pi製品の電源要件をまとめておきます。
製品名 | 推奨PSU 電流容量(A) |
USB周辺機器 最大電流(A) |
ベアボード 電流消費量(A) |
電源供給方法 |
4 Model B | 3.0A | 1.2A | 500mA | USB-C |
3 Model B+ | 2.5A | 1.2A | 600mA | microUSB |
zero / zero W | 1.2A | PSU、ボード、およびコネクタの定格による制限のみ | 100mA /150mA |
microUSB |
Raspberry Pi側のコネクタ形状は、表のとおり4Model B(USB-C)でその他はmicroUSBになります。
最近だとUSBケーブルを指すことができる電源アダプターがあるので、そちらの仕様を確認して購入しましょう。
ちなみにUSBキーボード、マウス、HDMIのディスプレイをつなげる場合は、推奨PSU電流容量を確保しないと安定しませんので注意が必要です。
「Raspberry Pi 4 Model B」 と 「Raspberry Pi zero W」向けの電源アダプターと電源ケーブルは次の記事にまとめています。ご参考にどうぞ。
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OSはどこにいれるの?起動(ブート)方法
Raspberry Piは、パソコンと同じようにOS(オペレーションシステム)を入れたディスク(ストレージ)が必要で、ディスク種類により起動(ブート)方法が変わってきます。実際には次の4通りあります。
- Micro SD カード
最も基本的な構成です。Raspberry Piの特性上、IoTなど小型省スペースでの設置を求められることが多いので、外付けディスクなどをつけるよりスペースや電源消費量などでメリットがあります。 - USB デバイス
USB boot codeを使用して大容量なUSBデバイスから起動させます。大量のディスク容量などを使う場合などに便利です。 - USB ホスト
Raspberry Pi 3B, 3B+, 3A+, and 2B v1.2のみで有効です。 - NVMe SSD (BETA版)
PCIeをもったCompute Module 4 IO Boardと呼ばれるものを使う場合に使用できる方法です。
この記事では、標準的な「Micro SDカード」を使用した起動方法について記載します。
最適なmicroSDカードとは?
Micro SDカードには、規格やクラスがたくさんあり、Raspberry Piで動かしたいアプリやプログラムにマッチしたものを選択することが重要になります。
当サイトでは、microSDの規格やクラスについてまとめた記事を掲載しています。SDカードの仕組みからmicroSDカードの選択時の条件について解説しています。おすすめのMicro SDカードもご紹介していますので、ご覧ください。
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どうやって操作するか。選ぶ。
Raspberry Piを使用するには、次の3つの方法があります。
※Raspberry Pi製品は、どの製品もディスプレイやキーボードなどは標準ではついていません。
- ディスプレイ、キーボード、マウスを接続する
パソコンと同じように、Raspberry PiのHDMI端子にディスプレイ、USB2.0ポートにキーボード、マウスを接続します。キーボードとマウスはUSBタイプ(有線接続)があれば、そのまま接続して利用できます。
最低限、有線キーボードがあれば作業が行えます。Bluetoothマウスは、初期設定の後で登録して使うこともできますよ。
最近はBluetoothキーボードが流行っているようですが、Bluetooth障害時に使える有線キーボードがあったほうが便利ですよ。
注意が必要なのはディスプレイ
Raspberry Piの製品ごとに対応するHDMI端子が違うため、注意が必要です。念のため、Raspberry PiモデルごとのHDMI端子をまとめておきます。
製品名 ディスプレイ端子(HDMI)のタイプ 4 Model B 2 × micro-HDMI ports(4K60) 3 Model B+ Full-size HDMI
zero / zero W Mini HDMI port ディスプレイも最近、デスクトップ向け(HDMI)とモバイル向け(MiniHDMI)がありますので、HDMIケーブルは環境にあったものを選択しましょう。
キーボード・マウスやディスプレイ周りのおすすめ商品については、次の資料の「オプション品」でご紹介しています。参考までにどうぞ!
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- OSインストール時にWi-Fi設定とSSH設定を行ってパソコンからリモート操作
Raspberry Pi Imagerというツールを使って起動用ディスクを作りますが、その際にWi-FiやSSHなどの接続設定を行うことができます。
このあたりの手順は、次の章「OSのインストール」の「Raspberry Pi OS をMicroSDカードに書き込む」で順を追って説明しますので参考にしてみてください。
- USB On-The-Goを使用してパソコンにRaspberry PiをUSBで接続する
USB On-The-Goと呼ばれる機能を使ってパソコンのUSBポートにRaspberry Piを接続して起動します。
パソコンからRaspberry Piにアクセスする方法はリモート操作と同じSSHを使います。この機能を使うためには、Raspberry Pi OSを書き込んだMicroSDカードを再度パソコンに接続して、以下の3つの作業を行います。①SSHの有効化
②config.txtの編集
③cmdline.txtの編集
Raspberry Pi OSをMicroSDカードに書き込む
使用できるOSについて
Raspberry Piは、専用のOSが提供されています。また、それ以外にUbuntuなどのLinuxOSが対応しており、選択することができます。
Raspberry Piで提供されているOSについては次のページを参照してください。
ここでは、Raspberry Piの専用OSである「Raspberry Pi OS」を使用してみます。
OSをMicro SDカードに書き込む
OSは「Raspberry Pi Imager」というツールを使って起動ディスクに書き出します。ダウンロードは次のページから行えます。以下の手順では、Raspberry Pi Imagerのバージョン「1.6.2」をもとに記載しています。
Raspberry Pi Imagerの操作方法
以下はWindows10環境にRaspberry Pi Imagerをインストールする場合の例です。
ダウンロードサイトに接続して、ツールを使用するパソコンのOSにあったものをダウンロードします。
ダウンロードした「imager_1.6.2.exe」を実行してインストールを行います。
セットアップ画面で「Install」を押します。
セットアップが終了するまでしばらく待ちます。
セットアップが完了したことを確認して「Finish」をクリックします。
「Raspberry Pi imager」が起動します。
「Raspberry Pi imager」の画面上から「CHOOSE OS」を押して、インストールするOSを選択します。
「Raspberry Pi OS(32bit)」を選択します。
おすすめのMicro SDカードについてはここをクリックしてください
Micro SDカードをパソコンに接続して認識することを確認します。
「Stotage」を押して、パソコンに接続したMicro SDカードを選択します。
Imagerの画面で
[Ctrl] + [Shift] +[X]を押します。
左のような設定画面が表示されます。
Image customization options
設定を今回限りにするか、今後も繰り返し使うかを選択します。続いて次の設定を行います。
■Disable overscan (画像で失われる部分が無いようにするために設置される黒枠を有効にするか) |
■Set hostname (Raspberry Piのホスト名を入力します。) |
画面右のスクロールバーを動かしてSSH接続の設定を行います。
■Enable SSH |
◎Use password authentication (SSHで認証するパスワード) 〇Allow public-key authentication only (公開鍵認証を使う場合に設定) |
※今回は初期ユーザ「pi」のパスワードを入力していますが、セキュリティ強化のため後で説明する初期設定で「管理ユーザの切り替え」を行うことを推奨します。
画面右のスクロールバーを動かしてWi-Fi接続の設定を行います。
■Configure wifi [SSID] Wi-FiルータのSSID [Password] SSIDのパスワード [Wifi country] Wi-Fi国設定(JP) |
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画面右のスクロールバーを動かして地域設定を行います。
■Set locale settings [Time zone] タイムゾーンを設定します。 [Keyboard layout] キーボードレイアウトを 設定します。 |
※リモート接続する場合、キーボード設定は関係ないため画面では初期値のままにしています。
〇Setting first wizard
画面右のスクロールバーを動かして最後に地域設定を行います。
Persistent settings □Play sound when finished (終了したら音を鳴らすか) ■Eject media when finished (終了したらメディアを取り出す) □Enable telemetry (テレメトリ情報を送信するかどうか)設定が終わったら「SAVE」ボタンを押します。 |
「WRITE」を押してMicro SDカードへ書き込みを開始します。
選択したUSBデバイスのデータを消すけどいい?って聞いてくるので「YES」を押します。
「USBメモリがパソコンから取り外された」というメッセージが出て、書き込みが開始されます。
※ディスクイメージを書き込むためWindowsファイルシステムからは切り離された状態で書き込まれます。10分~15分ほどで書き込みは終わります。 (書き込み→Verifying→終了) |
完了したことを示すメッセージが表示されますのでSDカードを取り外します。あとは「Raspberry Pi Imager」を終了します。
USB On-The-Go機能を有効化する
Raspberry PiにMicroSDカードを差し込んで起動する前に、Raspberry Pi OSを書き込んだmicroSDカード内のファイルを編集することで、パソコンのUSBポート経由でSSH接続することができます。
これをUSB On-The-Goといいます。
Raspberry Pi Imagerの旧版だと、Raspberry Pi のWi-Fi設定を行うことができませんでした。その際に一時的にパソコンのUSBポート経由でSSH接続を使ってログインし、ネットワークの設定などを行う手段が提供されていました。
特にRaspberry Pi zero W系の場合は、USB端子が少なく入力装置を潤沢に接続できなかったので、重宝していましたが、最新のImagerでは前に説明したとおりWi-Fi設定やSSH設定がMicroSDカードに書き込む際にできてしまうので、今後はあまり使わないかもしれませんね。
この方法を使うためには、Windowsパソコンの場合、ドライバのインストールなどが合わせて必要ですので、そのあたりの手順についてはMicroSDカード内のファイル編集手順と合わせて、別の記事でご紹介予定です。
いよいよRaspberry Pi の起動!
この手順は、事前にRaspberry Pi ImagerでWi-Fi設定およびSSH設定を行っていることを前提にしています。
Raspberry Pi にMicroSDカードを挿入し、電源コードを接続します。
※USB On-The-Goを使う場合はUSBケーブルでパソコンに接続します。
※この段階では、Raspberry Pi からインターネットに接続することはできません。
①コマンドプロンプトからSSH接続コマンドを入力します。
ssh pi@raspi01.local *赤字部分はホスト名です。 Raspberry Pi Imager内で指定していない場合は「raspberrypi」です。 |
②デバイスに接続してもいい?というメッセージが表示されるので「Yes」と入力します。
③パスワードを聞いてくるのでパスワードを入力します。
*パスワードはRaspberry Pi Imagaer内のSSH設定で指定したものです。指定していない場合は「raspberry」になります。
④Raspberry Pi に接続完了。
編集後記
どうでしたか?
意外と考えることが多く、Raspberry Pi機器以外に準備すべきものがたくさんあったと思います。
一人で調べながら必要なものをそろえていくのは、骨が折れますよね。。。
私もいろいろな周辺機器を購入して後悔した末に、ようやく落ち着いて環境を作れるようになったことを思い出します。
そこで、Raspberry Piを始めるために必要なものをまとめてみました。
こちらも参考にしてくださいね!
こんな悩みありませんか? 「Raspberry Pi はじめたいけど、何があれば遊べるの? いくらかかるの?」 そんなご質問に答えるべく、購入品リストをまとめてみました。 本記事は以下の記事「Raspberry Piのはじ[…]
この記事が、これからRaspberry Piをはじめたいと思っている方のお役に立てば、うれしいです。
次の記事では、Raspberry Piを初回起動したらまずやるべき初期設定についてご紹介します。お楽しみに!
今回使用したRaspberry Pi はこちら!
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