からくり技術研究所では、「ロボット製作に使える機械工学のメカニズムを実際に動かしてみよう!」ということで、地道に短めの記事でやっていくコーナーです。
主に、ロボット製作で使うための機械的な仕組みを実際に作って、動かして、測定してみます。
この連載記事では、タミヤ模型さんの「楽しい工作キット」と「3Dプリンター」を使って、仕組みを組み立てています。
今回は、3Dプリンターとして新しく追加した「ORIGINAL PRUSA MK4S」を使っていますよ!
「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」も部分的に使って効率化しています!
今回は機械の仕組みを組み合わせた作品「水飲みダックン」の製作記事です。
いろんな動きを作ることができるな。
これまで見てきた内容を組み合わせても
面白いかもしれん。
作品「水飲みダックン」を作って動かそう!
- ギア
- ラックギア
- プーリー
- ハンドルを回す単体の回転運動を元に複数の動きに変える
- 模型サイズでの実現を考慮する
- 3Dプリンターを使って造形できる部品で構成する
作品イメージ
次のような作品のイメージを作りました。
水が入ったバケツが回転し、水が飲みたい「ダックン」が頭を動かします。
ハンドルを回すことで回転運動を作品に伝えます。
運動を2つに分け、直線往復運動と、回転運動に変換します。
機械の構成としては、次のイメージです。
機械的な仕組みとしては、4つの仕組みが必要そうです。
それぞれ仕組みを当てはめると次のようになります。
- 回転運動を2つに分配
→ギア(歯車) - 直線往復運動に変換
→ラック・ギア - 回転運動の角度を変更
→かさ歯車 - 回転運動を離れた場所に伝達
→プーリー
おおよその動きと、必要な仕組みがわかってきました。
使用する仕組み
使用する機械的な仕組みは次の通りです。
ギア(歯車)
歯車ですね。一方の回転運動を、もう一方へ伝えて回転させます。
同じ端数であれば伝達元と伝達先で同じ回転速度になります。
このギア(歯車)により運動を分けることができます。
ラック・ギア
回転運動を直線運動に変換するのが、ラック・ギア機構となります。
ギア(歯車)が回転することにより上部のラックが直線的な運動を行います。
この構造で、下部のギア(歯車)の回転方向によって、上部のラックを往復直線運動をさせることができます。
かさ歯車
回転運動の角度を直角に変更する機構です。
回転軸の方向を変更することができます。
プーリー

3Dモデルを作ってみる
3Dモデルを作成しました。
「水飲みダックン」の3DCADイメージは次のようにしました。
横にあるハンドルを回すと、「ダックン」が頭を上下に動かし、
同時にバケツのあるテーブルがくるくると回転します。
ギア構造部
作品の下部には、ギアを使った機構を格納しています。
この部分でハンドルの回転運動を変換しています。
プーリー構造部
作品上部には、プーリーを使用してテーブルまで回転運動を伝達します。
直線運動部
ハンドルを回すことで、ラック機構が備わったスライダが左右に動くことで、
「ダックン」が首を振ります。
イメージが固まったので、実際のパーツを製造します。
試作用のデータを作る
今回の構造パーツは、全て3Dプリンターを使って各パーツを作っていきます。
3Dプリンター「ORIGINAL PRUSA MK4S」を使いました!
造形データの作成は、「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」の時と同じ「PrusaSlicer」を使います。
3Dプリントデータは以下のパーツ毎に生成しました。
- ダックン(頭部分、羽根部分)
- スライダ(ラック機構)
- 各種ギヤ
- プーリー
- ケース(左右分割)
次のパーツは、アクリル板を使って加工します。
- ケース上面カバー(透明)
- テーブル(半透明)
ハンドル部分、回転に使うシャフトについては、次のものを使います。
ORIGINAL PRUSA MK4Sで印刷する
今回は、「PETG」フィラメントを使用して「ORIGINAL PRUSA MK4S」で印刷しました。
今回使った3Dプリンターとフィラメントはこちら!
「ORIGINAL PRUSA MK4」
「PETGフィラメント」
今回はこちらのフィラメントを使っています。安価ですが安定していますので参考にしてください。
組み立て
部品は揃いましたので、組み立てててみました。
「水飲みダックン」は、予定通り動く精度で組みあがりました。
実際に動くものというのは、いい感じですね~。
動かしてみよう
それでは、実際に動かしてみましょう。
ハンドルを回すと、「ダックン」が回るバケツの水を飲もうとします(笑)
うまく動いていますね!
編集後記
いかがだったでしょうか。
こうして、実際に動く「からくり装置」として製作すると
機械的な仕組みだけでも面白い動きが作れます。
最近では、電子的な制御を主に使ったものが多くなってきていますが、
こういった機械的な仕組みで作れるものは、活用していくことで、電子パーツを少なくできます!
実際に作ってみると、プーリーで使っているゴムバンドの強度により、
テーブルの回転効率が変わることも分かり、
的確に運動を伝えるということが、以下に奥深いものかと、勉強になります。
原理と、機構がわかると、自作も意外とできちゃうんです!
3Dプリンターで作ったパーツも、強度はあるので、試作にはピッタリです。
今回の「水飲みダックン」は、いろいろな機械の仕組みを使って複雑な動きを実現しました。
こうして、実際の実装方法を学び、応用するのは楽しいです。
皆さんも、挑戦してみては、いかがでしょうか!
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
記事内でご紹介した商品はこちら!
「ORIGINAL PRUSA MK4」
「PETGフィラメント」
今回はこちらのフィラメントを使っています。安価ですが安定していますので参考にしてください。
「楽しい工作シリーズ」
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