ミニケース「KARAKURI -HAKO-」で使用する回路基板の回路図を前回作りました。
回路図ができたことで回路に使用する電子部品を決めることができます。
今回は、情報が盛りだくさんのため記事が長くなっています。
時間がない方は「1.回路図のおさらい」と「2.準備品リスト(まとめ)」を確認ください。
1.回路図のおさらい
回路図は以下のように4つの部分に分けて考えます。
1.電源 |
構成 DCジャックを基板に実装する際に 上:Vin(+)を4ピン 下:GND(ー)を4ピン を用意するようにします。 (配線の自由度を増やすため) |
2.変圧回路 |
構成 12Vから5Vを取り出す回路です。 三端子レギュレータ、積層コンデンサ、電解コンデンサ、スイッチングダイオードで構成します。 |
3.120mmファン接続 |
構成 120㎜ファンの2つのケーブルを接続するためのピンヘッダを回路基板に取り付けます。 LED用(ARGB-CONECTOR) FAN用(FAN-CONECTOR)の2つです。 |
4.M5StickC接続 |
構成 コンピュータ(M5StickC)を接続するコネクタを2ピン×2セット取り付けます。 電力系(Power) 信号系(PWM/LED)に分けます。 |
以降では、各章で部品、部材についてご紹介しています。
- 「2.回路基板で使用する電子部品」
→基板に実装する電子部品を4つの部分に分けてご紹介します。 - 「3.回路基板」
→基板と配線部材についてご紹介します。 - 「4.回路基板以外に準備するもの」
→120㎜ファンや電源アダプタなどをご紹介します。 - 「5.準備品リスト」
→ご紹介した内容をお買い物リスト化しています。
また、回路基板やケーブルを作るための道具は以下の記事で紹介しています。
電子工作という言葉を聞くとまず思い浮かぶのは、中学校の技術家庭の授業でやったはんだ付け。 最近の学校は実習とかやっているのかなとふと思います。 子供の頃は何となく作業していたので、今思うと「よく部品壊さなかったな・・・」と思いま[…]
2.回路基板で使用する電子部品
電源
電源アダプタとDCジャックの部分で使用する部品です。
ブレッドボード用DCジャックDIP化キット
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:AE-DC-POWER-JACK-DIP
価格: 3.0
- この商品はセンタープラスのDCジャックです。
- はんだ付けする際にはDCジャックを基板に指して端子を折り曲げてはんだ付けします。ペンチなどで基板面を傷つけないように端子を曲げるのが若干難しいです。
変圧回路
変圧回路で使用する電子部品です。
汎用小信号高速スイッチング・ダイオード
価格: 3.0
・種類:高速度スイッチング用
・回路数:1
・逆電圧:60V
・平均順電流:150mA
・ピーク順電流:450mA
・順電圧:0.8V
・逆回復時間:3.5ns
・端子間容量:3.0pF
・許容損失:250mW
低損失三端子レギュレーター 5V1A TA4805S
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:TA4805S(Q)
価格: 3.0
<セット内容>
・TA4805S
・電解コンデンサ(33μF~100μF)
・積層セラミックコンデンサ(0.1μF)
・固定用3mmプラネジ・ナット
<三端子レギュレータの仕様>
・出力方式:シリーズ
・出力正負:正電源
・入力電圧:~16V
・出力電圧:5.0V
・最大出力電流:1A
・ドロップアウト電圧:0.3V
・許容損失:20W
・リップル除去比(PSRR):64dB
・パッケージ:TO-220
ヒートシンクと放熱シート(シリコンラバーシート) TO-220用
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:ヒートシンク(17PB046-01025)
放熱シート (TO-220H)
価格: 3.0
今回使う三端子レギュレータはTO-220というパッケージになるため、対応する放熱シートを使っています。
<ヒートシンク仕様>
・幅46x高さ25x奥行17mm
・固定用穴:M3(3㎜)
・熱抵抗:11.9℃/W
<放熱シート仕様>
・使用温度範囲:-40℃~200℃
・熱伝導率:1.1W/mK
・絶縁破壊電圧:4kV
・厚み:0.3mm±0.05mm
・寸法:13.2mm×19mm
FAN用コネクタ・LED用コネクタ
120㎜ファンのFAN用コネクタとLED用コネクタを回路基板とつなぐために回路基板側にピンソケットをつけます。
ピンヘッダ 1×40
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:PH-1x40S
価格: 3.0
LED用コネクタは4ピン中1ピンは使わないため、ペンチなどで抜いておきます。
M5StickC接続用
M5StickCと回路基板を接続するために回路基板側にコネクタを設け、M5StickCとの接続用ケーブルを自作します。
両端ロングピンヘッダ 1×40 (40P 6.1)
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:PH-1x40SG(6.1/6.1)
価格: 3.0
XHコネクタ ベース付ポスト/ハウジング
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:ベース付きポスト S2B-XH-A(LF)(SN)
ハウジング XHP-2
価格: 3.0
耐熱電子ワイヤー 赤色 20m 導体外径0.75mm
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:0.3sq (12/0.18) AWG22-R
価格: 3.0
温湿度センサー
温湿度センサー(DHT11)
回路基板の電子部品
入手元:秋月電子
型番:DFR0067
ケーブル(マイコン側)↓ |
ケーブル(センサー側)↓ |
評価: 3.0
価格: 3.0
温湿度センサー接続用
Grove互換コネクタ HY2.0mm ハウジング・コンタクトピンセット
回路基板の電子部品
入手元:共立エレショップ
型番:CON302-HY2-4P-5
価格: 3.0
3.ユニバーサル基板と配線材
電子部品を実装する基板と配線部材をご紹介します。
回路基板は、電子部品の間をつなぐ線(配線)を板状のものの上に作り、電子部品を取り付けるための穴をあけたものをいいます。おもに以下の3つの方法で作成できます。
- 専用ソフトで回路図と実装図を作成して業者に依頼する
- 専用ソフトで回路図と実装図を作成して、自分で基板を印刷し、穴をあける
- ユニバーサル基板と配線材を使って回路を作る
①と②は、同じ回路基板を数枚~数十枚作りたい場合や、複雑で配線が難しい場合にメリットがある方法です。今回は回路も複雑でなく、小さな回路を1つだけ作りたいので③の方法を使います。
- 電子部品を実装するための穴が2.54㎜間隔で並んでいる板です。実験、試作、および電子工作での配線、組立に使います。
まず写真を見てください。
このように穴(穴径1㎜)がいっぱい並んでいますよね。この穴は「ランド」といいます。
電子部品は主に写真のように”足がある”ものと”足がない”ものがあります。
”足がない”ものは表面実装用のものになり、基板の表面に張り付けるようにはんだ付けします。よく見ると表面に平らな足がついていますよね。
ユニバーサル基板は穴に電子部品の足を入れてはんだ付けするため、”足のある”ものを使うことが多いです。
こんなイメージ。
電子部品と電子部品の間は、鈴メッキ線などの配線材を使って電子部品の足をつなぐようにはんだ付けします。
ユニバーサル基板は以下の条件を選んで最適なものを選択します。
ランド間隔 一般的には「2.54mmピッチ」、「4mmピッチ」が多いですが、その他にも種類があります。
基本的に「2.54mmピッチ」が良いと思います。ドットパターン 一部のランド間をつないでいるようなパターンもあれば、すべての穴が独立しているパターンもあり、多種多様です。
ドットパターンがついていると配線が楽ですが、自由に配線したい場合や実装密度を高くしたい場合があるので、私はすべての穴が独立しているものを使うことが多いです。サイズ ユニバーサル基板のサイズです。電子部品や回路の状態から必要となる面積を持ったものを選びます。 実装面 ユニバーサル基板のランドには、導電性のある金属がついていますが、これが両面実装か、片面実装かで商品が変わってきます。
両面実装のほうがコストは高くなりますが使い勝手は良いです。
いろいろ書きましたが、今回使うユニバーサル基板は以下のものにしました。
ユニバーサル基板
回路基板の電子部品
両面実装基板がセットになった商品です。
一枚ずつ購入するよりもお得です。
パッケージの中の以下の条件を満たすものを使います。
ランド間隔:2.54㎜
ドットパターン:ドット(全ランド独立)
サイズ:3×7㎝(実装ランド:10×23)
実装面:両面実装
スズメッキ線(0.6mm 10m)
回路基板の電子部品
ユニバーサル基板上に配線するための線材としてすずめっき線を使います。
はじめて買うのは10mくらいで良いです。
4.その他で準備するもの
電源アダプター
回路基板以外の購入品
PSEマーク認証がとられているものを選定しています。
この商品はセンタープラスの電源アダプタです。
Cooler Master MasterFan MF120 Halo
回路基板以外の購入品
<FAN仕様>
・ファン速度:650-1800 ±10% (RPM)
・寸法:120 x 120 x 25m
・ベアリング:ライフルベアリング
・ファン電源コネクタ:4-Pin PWM
・ファン定格電圧:12 VDC
・ファン定格電流:0.25A
<LED仕様>
・ファンLED:アドレサブルRGB
・RGBコネクタ:3-Pin
・RGB定格電圧:5 VDC
・RGB定格電流:0.55A
M5StickC
回路基板以外の購入品
- 基板むき出しでなくケースいり。
- ディスプレイ搭載のため単体で使える。
(80×160) - Arduinoでの開発も可能
(開発例も多い) - WifiとBluetoothが標準搭載済み
- 非常に小さい
(48×25×14 mm) - 6軸センサーも搭載されている
パソコンとの接続も専用装置などが必要なくUSBーCケーブルで接続するだけでプログラミングが開始できるので、IoTや組み込みのプログラミング初級機として、おすすめです。
※私もこれでデビューしました。。
5.準備品リスト
今回ご紹介したものを最後にリストにまとめています。入手先も記載していますので参考まで。
物品が多く感じるかもしれませんが、一つ一つは高価なものではないため揃えやすいかなと思います。
回路基板で使用
今回使用した電子部品は秋月電子さんと共立エレショップさんで調達しました。
カテゴリ | 商品名 | 数量 | 型番 | 入手先 |
電源 | ブレッドボード用DCジャックDIP化キット または ブレッドボード用DCジャックDIP化キット(完成品) |
1 | AE-DC-POWER-JACK-DIP | 秋月電子 |
変圧回路 |
汎用小信号高速スイッチング・ダイオード 低損失三端子レギュレーター 5V1A TA4805S ヒートシンク 放熱シート(シリコンラバーシート) TO-220用(10個入) |
1 1
1 1 |
1SS270A-E TA4805S(Q) 17PB046-01025 TO-220H |
秋月電子 |
FAN用 コネクタ LED用 コネクタ |
ピンヘッダ 1×40 ※このうち4ピンをFAN用、4ピンをLED用として使用) |
1 | PH-1x40SG | 秋月電子 |
M5StickC 接続 |
両端ロングピンヘッダ 1×40 XHコネクタ ベース付ポスト XHコネクタ ハウジング 2P XHP-2 耐熱電子ワイヤー 赤色 20m 導体外径0.75mm |
1 2 2 |
PH-1x40SG(6.1/6.1) S2B-XH-A(LF)(SN) XHP-2 0.3sq (12/0.18) AWG22-R |
秋月電子 |
温湿度 センサー |
DHT11温湿度モジュール |
1 |
DFR0067 |
秋月電子 |
温湿度 センサー 接続用 |
Grove互換コネクタ HY2.0mm ハウジング・コンタクトピンセット |
1 | CON302-HY2-4P-5P |
共立エレ |
ユニバーサル基板と配線材
回路基板以外
製作に使用した工具・消耗品など
はんだ付けを行うための工具や部材などは以下の記事で紹介しています。
電子工作という言葉を聞くとまず思い浮かぶのは、中学校の技術家庭の授業でやったはんだ付け。 最近の学校は実習とかやっているのかなとふと思います。 子供の頃は何となく作業していたので、今思うと「よく部品壊さなかったな・・・」と思いま[…]
ケーブルづくりに必要な工具や部材は以下の記事で紹介しています。