しかし、まだ受信側ができていないのぉ。
今度は受信側を試してみるか。
やり取りができるといいな。
UART送受信を実装してみよう。
この記事では、「Raspberry Pi Pico/W」に実装されている「PIO(Programmable I/O」を使って、実際に使ってみます。
まずは第二弾として、「UART送受信」機能を「PIO(Programmable I/O」を使って実装します。
microPythonやC言語でのプログラム例はあるものの、Arduino IDEを使った例はあまりないので、ぜひチェックしてくださいね!
Raspberry Pi の中でも、省電力なCPUを搭載したマイコン開発ボードです。
他のRaspberry Pi 製品とは異なり、Linux OSを搭載していません。
しかし省スペース、省電力の専用CPU「RP2040」を搭載していて、Arduino IDEや、MicroPythonで開発可能です。
しかも、Wi-FiとBluetoothが使用できるモジュールも搭載されているので、スタンドアロンでの稼働のみならず、他のマイコンと無線通信することが可能です。
「PIO(Programmable I/O」を使って「Raspberry Pi Pico/W」にUARTで送信した文字をUARTで返すプログラムを実装します。
プログラムとしては、UARTの送信機能と受信機能の両方を実装します。
開発環境としては、Arduino IDEを使います。
「Raspberry Pi Pico/W」の特徴でもある「PIO(Programmable I/O」について身に着けるために、
UARTのような基本的な機能を実装することで理解を深めていくことが大切です。
ぜひ、皆さんも挑戦してみてくださいね!
この記事の前提となる「Raspberry Pi Pico W」のはじめかたは、次の記事で紹介しています。
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今回の記事の対象となるマイコンはこちら!
Raspberry Pi Pico
Raspberry Pi Pico W
ピンヘッダ実装済み
ピンヘッダを自分ではんだ付けするもの
PIOとは Prgrammable I / O (Input / Output)の略で、端子の部分とマイコン中核部の仲介役をプログラマブルに行うことができるものです。
詳しい説明については、次の記事で紹介していますので、あわせて確認してくださいね!
PIOについては、次の記事でチェックしてね!
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PIOをArduino IDE で使う際の準備
PIOは、Raspberry Pi Pico SDKに含まれる「pioasm」を使ってC言語やPython用のプログラムをジェネレート(生成)します。
Arduino IDEも実際にはC言語での使い方に近い手順を取ります。
Raspberry Pi Pico SDKにある「pioasm」は、ソースファイルのみ提供されています。
使うためにはコンパイルして実行形式ファイルに変換しなければなりません。
Arduino IDEでpioasmを使う方法は次の記事でチェックしてね!
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UARTとは?
UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter:汎用非同期 受信/送信)は、Raspberry Pi Pico / W」とパソコン間など、異なるシステム間の通信で用いられます。
UARTは、「シリアル通信」で「非同期式」です。
UARTについては次の記事でチェックしてね!
すけろく Raspberry Pi Pico/WのPIO機能については前回調べた。 今度は実際に使ってみたいの~ げんろく そうだな。 実際にプログラムする際の注意事項などを見ていこう。 […]
UART送信プログラムの作成
早速、UARTの送信機能と受信機能をつかえるようなプログラムを作成します。
UART通信のパラメータは次のものを使います。
パラメータ名 | 設定値 |
ボー・レート | 115200 |
データ・ビット長 | 8ビット |
パリティ | even(偶数パリティ) |
ストップビット長 | 1ビット |
フロー制御 | なし |
今回は、送信機能と受信機能の動作を確認するため、別のマイコン(Picoprobe)からUARTで送信した文字を受信し、「Recieve:」という文字を追加して、送信元のマイコン(Picoprobe)に返信するようにプログラムします。
Picoprobeは、「Raspberry Pi Pico / W」上にプログラムのデバッグ機能を実装したものです。
今回UARTを実装する「Raspberry Pi Pico / W」とは別の「Raspberry Pi Pico / W」を一つ準備します。(全部で2つ使います)
Picoprobeの作り方については次の記事で紹介しています。
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GPIOは、本来「Raspberry Pi Pico / W」ではUART機能が実装されていないGPIOを使います。
送信(TX):GPIO2
受信(RX):GPIO3
PIOファイルを作成する
ノートパッドなどのテキストエディタを開いて、次のプログラムをコピーし、貼り付けます。
ソース内部にコメントを入れていますので、参考にしてください。
ファイルの拡張子を「.pio」にして保存します。
アセンブリ部分の記述方法については、次の記事を参照してください。
すけろく Raspberry Pi Pico/Wには、PIOという機能があるらしいな。 げんろく そうだ。 UARTなどのインタフェース不足や、実装されていない機能を GPIOに対してプログラムでき[…]
ヘッダーファイルの生成
「pioasm」の使用方法で記載した手順を使って、ヘッダーファイルを生成します。
「pioasm」が保存されているフォルダに先ほど作成したPIOソースファイル(.pio)をコピーして行ってください。
生成されたヘッダーファイルは次のようになります。
Arduino IDEへのヘッダーファイルの取り込み
生成されたヘッダーファイルをArduino IDEに取り込みます。
そのためにArduino IDE上で新規のスケッチを作成します。
スケッチに次のようにコードを記載し、保存します。
Arduino IDE スケッチ例
生成したヘッダーファイルを次の手順で、作成したスケッチに取り込みます。
- Arduino IDEのメニューから[スケッチ]-[ファイルを追加]を選択します。
- スケッチが保存されたフォルダが開くので、生成したヘッダーファイルをコピーして選択します。
- 追加する旨の確認メッセージが表示された場合は承認してください。
- 最後にスケッチの3つ目の「#include “pio_uart.h“」の部分を保存したヘッダーファイル名に変更します。
以上で、ヘッダーファイルの取り込みは完了です。
Raspberry Pi Pico Wへの書き込み
- Raspberry Pi PicoをパソコンにUSB接続します。
- Arduino IDEで前述のプログラムを記載して、 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」で任意の名前を付けて保存します。
- 「ツール」メニューから「ボード」情報を確認し、次のものを選択します。
「Raspberry Pi Pico/RP2040」-「Raspberry Pi Pico W」 - 「シリアルポート」にマイコンを接続したCOMポートが指定されているかも確認します。
- 「ツール」メニューから「シリアルモニタ」を選択してシリアルモニタを起動します。(転送速度は「115200」です)
- 「スケッチ」メニューから「マイコンボードに書き込む」を選択します。
※Raspberry Pi Pico の場合は、③の手順から適宜変更してください。
プログラム実行結果
書き込みが完了した「Raspberry Pi Pico / W」に対してUARTで文字を送信するために、Picoprobeを使います。
Picoprobeの作り方については次の記事で紹介しています。
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Picoprobeと、今回書き込みを行った、「Raspberry Pi Pico / W」を次のように配線します。
ブレッドボード左側にあるPicoprobe用の「Raspberry Pi Pico」には、GPIOをわかりやすくする「GPIO Master」を取り付けています。
気になる方は、こちらからどうぞ。
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この商品は、電子工作でRaspberry Pi Pico/Wを使う場合に便利なツールです。Raspberry Pi Pi…
接続ポート
Picoprobe側 | PIO実装側 |
GPIO5(RX:受信) | GPIO2(TX:送信) |
GPIO4(TX:送信) | GPIO3(RX:受信) |
GND | GND |
VSYS | VSYS |
PicoprobeをUSBケーブルでパソコンにつなぎます。
デバイスマネージャを起動して、Picoprobeが認識されたCOMポートを確認します。
ターミナルソフト(Tera Term、Puttyなど)を起動してPicoprobeのCOMポートにシリアル接続します。
以下は、Tera Termの例です。
Tera Termを起動し、Picoprobeへシリアル接続します。
COMポートは先ほど確認したポートを選択します。
メニューから[Setup]-[Serial Port]を選択します。
左図のように設定して[New Setting]ボタンを押します。
メニューから[Setup]-[Terminal]を選択します。
左図のように設定して[OK]ボタンを押します。
以上で設定は完了です。
パソコン上のターミナルで、文字を1つ打つと次のように「Recieve:」をつけて返信されてくれば成功です。
編集後記
いかがだったでしょうか。
「Raspberry Pi Pico / W」の「PIO(Programmable I/O」を使って「UART」の送受信機能を実装してみました。
今回は、受信側もプログラムしたので、パソコンとのやり取りができるようになりました。
Arduino IDE でも「PIO(Programmable I/O」を使ってUARTを実装する方法が確立できました。
今後も作例を充実させていければと思います。
記事の内容は以上です。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
次回もご期待ください。
今回の記事の対象となるマイコンはこちら!
Raspberry Pi Pico
Raspberry Pi Pico W
ピンヘッダ実装済み
ピンヘッダを自分ではんだ付けするもの
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