使ってみたいの~
そろそろ試してみてもよかろう。
せっかくなのでLEDを遠隔で操作してみよう。

この記事ではArduino IDEを使ったプログラミング例を紹介します。
● Arduino IDE バージョン: 2.1.0
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Raspberry Pi Pico W
Arduino、C/C++、MicroPythonに対応している組み込み開発キットです。
正確なタイマ機能、温度センサーなどを備えたモデルです。ディスプレイ等がないため、消費電力を抑えた構成をとることができます。いろいろ遊べますよ~
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今回の目標
今回の目標は、「Raspberry Pi Pico W」をパソコンにBluetoothで接続します。
Bluetooth接続を使って、「Raspberry Pi Pico W」へLED制御用のコマンドをシリアルで与えます。
難しい言葉でいうと、「Serial over Bluetooth」といったところでしょうか。
処理の流れは次の通りです。
- Raspberry Pi Pico Wを起動します
- パソコンの「Bluetoothデバイスの追加」でRaspberry Pi Pico Wを追加します
- 接続後、COMポートとして認識されます
- パソコンのArduino IDEから認識されたCOMポートを選択し、シリアルモニタを起動します
- シリアルモニタからLEDの制御コマンドを入力して実行します
- Raspberry Pi Pico WからLEDに制御信号が送られ、発光パターンが変化します
Raspberry Pi Pico W でBluetooth シリアル接続を使うには
「Raspberry Pi Pico W」にBluetoothシリアル接続を行うためには、Arduino のライブラリ「SerialBT」を使用します。
今回使用する「Raspberry Pi Pico W」用のボードマネージャが、Arduinoのライブラリに対応しているので利用できます。
接続情報の設定
Raspberry Pi Pico W 側でBluetooth シリアル接続を有効にするためには、次の設定が必要です。
ライブラリ定義 | 説明 |
#include <SerialBT.h>
|
Bluetooth シリアル接続を定義したライブラリを インクルードします。 Arduino スケッチの最初に記載します。 |
関数 | 説明 |
SerialBT.begin();
|
Bluetooth シリアル接続を開始します。 Arduino スケッチの「Setup」関数に記述します。 |
Bluetoothシリアル通信のやり取り
Bluetoothシリアル接続での入出力を行うために使用する主な関数は次のとおりです。
他にもありますので、ぜひ確認してみてください。
関数 | 説明 |
SerialBT.available()
|
シリアル通信で受信しているデータがある場合に、 「True」になります。 データがある場合の判断に使います。 |
SerialBT.read()
|
シリアル通信で受信したデータを読み込みます。 出力先はcharになります。 |
SerialBT.readString()
|
シリアル通信で受信したデータをString(文字列)として 読み込みます。 出力先はStringになります。今回、こちらの関数を使ってパソコンから送信された 文字列を取得します。 |
SerialBT.write(char c)
|
シリアル通信で相手側へ文字を送信します。 |
プログラムの構成

Raspberry Pi Pico W をBluetoothシリアル接続してみる
では実際にプログラムを書き込んでいきましょう。
プログラム作成前に確認するポイント
プログラム作成前に、以下の点を押さえておいてください。
たくさんのLEDを発行制御するための方法
たくさんのLEDを発行制御するための方法は、次の記事で紹介しています。
LEDとRaspberry Pi Pico Wの接続方法も紹介していますので、事前に行ってください。
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Arduino IDEでプログラミングする
Arduino IDEを起動して、「ファイル」メニューから「新規ファイル」を選択し、表示されるスケッチに以下のように記述します。
Arduino IDE スケッチ例
Raspberry Pi Pico Wへの書き込み
- Raspberry Pi Pico WをパソコンにUSB接続します。
- Arduino IDEで前述のプログラムを記載して、 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」で任意の名前を付けて保存します。
- 「ツール」メニューから「ボード」情報を確認し、次のものを選択します。
「Raspberry Pi Pico/RP2040」-「Raspberry Pi Pico W」 - 「ツール」メニューからボートの設定部分にある「IP/Bluetooth Stack」の設定を次のものにします。
「IPv4 + Bluetooth」 - 「シリアルポート」にマイコンを接続したCOMポートが指定されているかも確認します。
この時指定するCOMポートは、USBで優先接続したプログラム書き込み用のCOMポートです。
注意しましょう。 - 「スケッチ」メニューから「マイコンボードに書き込む」を選択します。
Raspberry Pi Pico WとのBluetoothシリアル接続
書き込みが完了後、以下の手順で、「Raspberry Pi Pico W」に接続します。

Raspberry Pi Pico W に電源を供給します。

パソコンのBluetoothデバイスを表示します。
Windowsの場合
「設定」の「Bluetoothとデバイス」です。

「デバイスの追加」を選択します。

「Bluetooth」を選択します。

[PicoW Serial xx:xx:xx:xx~]というデバイスを選択します。

デバイスの認証番号が表示されますが、「接続」を押します。

Raspberry Pi Pico WがBluetoothデバイスとして認識されたことを確認します。

Arduino IDEを起動して、「ツール」の「ポート」設定に、追加されたCOMポートを設定します。
※2つのCOMポートが追加されることがありいますが、使用できるのはどちらか一方です。

Arduino IDEで「ツール」から「シリアルモニタ」を起動します。

シリアルモニタの上部にある入力ボックスに、命令を入力します。
※命令の種類は、後述するものを参照してください。
以上で、接続手順は完了です。
使用できる命令
今回作成したプログラムで実行できる命令は次の通りです。
命令は、小文字、大文字どちらでも対応できます。半角英字で入力してください。
命令 | 実行内容 |
OFF | LEDをすべてOFFにします。 |
COUNT:RED
|
LEDを順番に点灯します。(色:赤) |
COUNT:PURPLE | LEDを順番に点灯します。(色:紫) |
COUNT:BLUE | LEDを順番に点灯します。(色:青) |
COUNT:GREEN | LEDを順番に点灯します。(色:緑) |
SINGLE:RED | 全てのLEDを点灯します。(色:赤) |
SINGLE:PURPLE | 全てのLEDを点灯します。(色:紫) |
SINGLE:BLUE | 全てのLEDを点灯します。(色:青) |
SINGLE:GREEN | 全てのLEDを点灯します。(色:緑) |
RAINBOW | 全てのLEDでグラデーションになるように点灯します。 |
ANIMATION | グラデーションが動くように点灯します。 |
実行結果
次のようにLEDの点灯制御ができます。
編集後記
いかがだったでしょうか。
Bluetoothシリアル接続で命令を出せることで、Bluetoothの通信可能範囲であれば、ワイヤレスで制御することができますね!
「Raspberry Pi Pico W」のプログラミングといえば、「microPython」と考えていましたが、Arduino IDEでプログラムできるとうれしいですね。
LEDストラップも無事光らせることができました。
これで、他のマイコンと同じArduino IDEでLEDを使ったプログラムの開発ができます!
「Raspberry Pi Pico W」と同じRP2040というチップを搭載している機器にも使えるので応用ができそうです。
記事は、以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
記事内でご紹介する「Raspberry Pi Pico W」はこちら!
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