インターネット上のサービスと連携させたいな。
データを取得する際によく使う形式があるので
そこを押さえてからだな。
JSON形式だな!
今回は、Raspberry Pi Pico WでJSON形式データを
取り扱う方法をおさえていこう。
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記事内でご紹介する「Raspberry Pi Pico W」はこちら!
Arduino、C/C++、MicroPythonに対応している組み込み開発キットです。
正確なタイマ機能、温度センサーなどを備えたモデルです。ディスプレイ等がないため、消費電力を抑えた構成をとることができます。いろいろ遊べますよ~
JSONって何?
JSONとは?
JSONとは「JavaScriptのオブジェクト記法を用いたデータ交換フォーマット」です。
Python、PHP、JavaScript、C++、Javaなど様々な言語でサポートされています。
JSONを間に挟むことで各プログラミング言語間のデータの受け渡しがとても簡単にできます。
インターネット上のWebサービスからデータを取得する際の形式もJSON形式のものが多いので、例えば、天気情報をWebサービスから取得する際に使用できます。
JSONの表記方法
JSONは以下の形式で表記されます。
[ {“id” : “1”, “name” : “tanaka”}, {“id” : “2”, “name” : “morita”} ] |
Arduino でJSONを使用する場合、マイコンのメモリに一時ロードされるため、メモリを事前に予約する必要があります。
どのくらいメモリ確保を行えばよいかを計算できるツールがありますのでそちらを使いましょう!
JSONを扱う際のメモリサイズを計算する
Raspberry Pi Pico Wは、ARMCortex M0 +プロセッサを使っているので、系統が同じなSTM32で計算しています。
以下のページでArduino IDEでJSONを扱う際のメモリサイズを計算できます。
メモリ量の計算手順
所要時間:5分程度
1
「Step1:Configuration」画面で以下の通り選択します。
Processor :「STM32」
Mode :「Deserialize」
Input Type :「String」
【Next:JSON】を選択して次の画面に移ります。
「Step2:JSON」画面にて今回使いたいJSONデータを入力します。
【Next:Size】を選択して次の画面に移ります。
前の画面で入力したJSONデータをもとに必要なメモリサイズが計算され、画面に表示されます。
※この例ではトータルで「96」必要なことがわかります。
【Next:Program】を選択して次の画面に移ります。
Arduino IDE用のプログラム例が表示されます。
※先ほどの画面で必要となるサイズとして表示されていた内容をプログラムで指定する方法が記載されています。
StaticJsonDocument<96> doc;
以上でJSON形式データを使用する際のメモリ計算は完了です。
Raspberry Pi Pico WでJSONデータを取り扱ってみよう
それでは、実際にプログラミングしてみましょう。
今回は、基本的な使い方を確認するため、プログラムの中でJSONデータを定義して、それをRaspberry Pi Pico Wで処理し、シリアルモニタに表示させてみます。
使用するJSON形式データ
プログラム内で定義するJSON形式データは、次の通りです。
[ {“Name” : “genroku”, “Site”:”Karakuri-musha.com”} ] |
実際にArduino IDEで記述すると次のようになります。
各要素を記載する際の、二重引用符「”」は、プログラム中では、「\」をつける必要があります。
String JsonData = "{ \"name\": \"genroku\", \"site\": \"Karakuri-musha.com\" }";
ライブラリを追加する
今回は、JSON形式データを取り扱うため、次のライブラリをインストールします。
使用する情報 | 設定値(バージョン) |
ライブラリ名 | ArduinoJSON (6.21.1) |
ライブラリのインストール手順については、次の記事を参考にしてください!
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JSON形式データの取り扱いプログラム
Arduino IDEを起動して、「ファイル」メニューから「新規ファイル」を選択し、表示されるスケッチに以下のように記述します。
Arduino IDE スケッチ例
(1)シリアル接続の開始後の待機時間
Raspberry Pi Pico Wでシリアル接続を開始[Serial.begin()]後の待機時間は、3000ms(3秒)くらいが良いようです。Arduinoでの500msでは、足りません。(2)JSON形式の取り扱い
プログラム中では、JSON形式データの処理を以下の流れで行っています。
①JSON形式データの定義 | [String JsonData =…] |
②JSON用メモリの確保 | [ StaticJsonDocument<96> n_jsondata;] |
③JSON形式データの読み込みとエラー情報の取得 | [DeserializationError error = deserializeJson(n_jsondata, JsonData);] |
④JSON形式データの取り出し | [i_name = n_jsondata[“name”];] |
Raspberry Pi Pico Wへの書き込み
2回目以降
- Raspberry Pi PicoをパソコンにUSB接続します。
- Arduino IDEで前述のプログラムを記載して、 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」で任意の名前を付けて保存します。
- 「ツール」メニューから「ボード」情報を確認し、次のものを選択します。
「Raspberry Pi Pico/RP2040」-「Raspberry Pi Pico W」 - 「シリアルポート」にマイコンを接続したCOMポートが指定されているかも確認します。
- 「ツール」メニューから「シリアルモニタ」を選択してシリアルモニタを起動します。(転送速度は「9600」です)
- 「スケッチ」メニューから「マイコンボードに書き込む」を選択します。
プログラム実行結果
シリアルモニタ上に以下の通り表示されれば成功です。
JSON Data Test Start Name : genroku Site : Karakuri-musha.com JSON Data Test End
編集後記
今回は、JSON形式データの取り扱いについて、ご紹介しました。
これで、インターネット上のサービスから取得したJSON形式データを、「Raspberry Pi Pico W」内で処理できます。
「Raspberry Pi Pico W」のプログラミングといえば、「microPython」と考えていましたが、Arduino IDEでプログラムできるとうれしいです。
これで、他のマイコンと同じArduino IDEで開発できます!
「Raspberry Pi Pico W」と同じRP2040というチップを搭載している機器にも使えるので応用ができそうです。
今回の記事は以上になります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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