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【Arduino】M5Stack で メダカの住む環境を快適に!第一弾 水温を調査するぞー

すけろく
最近メダカの飼育が流行っているらしいの~
げんろく
そうだな。日本の水質にも適用能力が高い魚だからな。
我が家でも飼育してみるか。
すけろく
そうなると、メダカに快適な環境を整える必要があるな。
げんろく
よし。
まずは、メダカが快適に過ごせる水温か確認するぞ!
皆さん、お家で何か動植物を飼っていますか?
今回、縁あって、げんろく宅にも「メダカ」さんがやってくることになりました。
メダカの飼育方法について、いろいろと調べてみると、水温を一定に保つことが重要なようです。
そこで、まずは、水槽内の水温を測定して、室内飼育する際の温度変化を調べてみたいと思います。
水温を記録するだけでは、勿体ないので、水槽の横に置いて現在水温を表示するものを作ります。
水温を表示するため、ディスプレイ付きの「M5Stack」をArduinoでプログラミングします。
M5Stack」は。M5Stack社が販売しているディスプレイやボタンなどが搭載された、組み込みプログラミングができる開発ボードです。
製品として使えるような、パッケージになっているので、使いやすくて人気があります。
この記事ではArduino IDEを使ったプログラミング例を紹介します。
この記事の製作工程を動画にしていますので、良ければこちらもどうぞ!
この記事の前提となる「M5Stack」のはじめかたについては、次の記事で紹介しています。
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この記事では、プログラミング学習をされる方に向けた、「おすすめの機器」と「プログラミング方法」をご紹介します。 題して「まじコレ!」 第二回は、「M5Stack Core 2」です。 […]

記事内でご紹介する「M5Stack」はこちら!

M5Stack Basic

Arduino、UIFlow、MicroPythonに対応した開発キットです。
物理ボタン、スピーカ、ディスプレイが搭載されているモデルです。機能を限定しているため、比較的安価です。
一台でいろいろと遊べる機器なのでおススメです!
※今回使ったのは、こちらのモデルの旧バージョンになります。

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水温を測るために必要なものは?

温度センサーは過去にも記事にしたことがありましたが、今回は水温を計るため、防水仕様の温度センサーを準備する必要があります。

今回は次の温度センサーを準備しました。

防水仕様の温度センサー

 

Arduinoでの開発に対応した防水仕様の温度センサーキットです。
このキットは、温度センサー(防水ケーブル付き)、変換基板(プルアップ抵抗付き)、マイコンとの接続用ケーブルがセットになっています。変換基板経由で直接Arduinoの開発ボード(Arduino、M5StackやRaspberry Pi Picoなど)に接続することができ、プログラム例も提供されています。

この温度センサーは、「DS18B20」を使っているモデルになります。

Arduinoなどと接続する場合は、プルアップ抵抗が必要になりますが、こちらのキットにはプルアップ抵抗が実装されていますので、そのままArduonoに接続しても、安定して水温を計測できます。

キットの内容

キットの内容は次の通りです。

温度センサー(防水ケーブル付き)、変換基板(プルアップ抵抗付き)、マイコンとの接続用ケーブルがセットになっています。

使用(接続)方法

M5Stack Basic」と温度センサーの接続は、次のように行いました。

温度センサーと変換基板の接続

温度センサーは、5V(VCC)[赤]、GND[黒]、測定用信号線[黄]の3線仕様になっています。

温度センサーを変換基板に接続するには、変換基板側のターミナルコネクタを使います。

ターミナルコネクタにセンサーから出ている線を挿入して、ターミナルコネクタの上部にある部位を押すと固定されます。

手で押すには硬いので、ドライバーなどを使って慎重に力を加えます。

変換基板とM5Stack Basicの接続

変換基板からArduino(今回はM5Stack)に接続するには、キットに付属しているQIコネクタケーブルを使います。
M5Stack Basic」 には、側面にQIコネクタを接続できるポートが用意されていますので、そちらに接続しました。
<接続構成は次の通り>
用途 温度センサー変換基板側 M5Stack Basic側
5V(VCC) 5V[赤] 5V出力
GND GND[黒] GND
測定用信号線 測定用信号線[緑] G5(GPIO5)
側面にポートが出るので、「M5Stack Basic」本体を机に置いたまま接続できます。
こういう場合に、使い勝手のよい「M5Stack Basic」。
よくできていますよね。
ここで注意なのは、「温度センサーキットに付属しているケーブルは、3連QIコネクタなので、各線のQIコネクタを独立したものに変える必要がある」という点です。
そこで、QIコネクタを3つ使い、次のように各線を独立したコネクタに変更しました。

ケーブルとコネクタの種類や作成方法は、次の記事で紹介しています!

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これで、「M5Stack Basic」と温度センサーを接続することができました。

水槽の横におけるデザインのケース作り

今回は、毎日の水槽の水温を測定したいのと、水槽の設置場所がリビングのキッチンカウンターの上であることから、温度センサーの変換基板や、M5Stack Basicとの接続部分についても、保護する必要がありました。

また、水温センサーを水槽にいい感じに固定する部材も必要になりました。

こういうときに役立つのが、3Dプリンター「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」です。

積層型の3Dプリンターで、造形精度が良く、当ブログでもいろいろなものを作っています。

自分で組み立てるキットもあるので、自作ユーザーや、導入コストを抑えたい人に最適です。

最近、Mk4が発売されましたが、Mk3も併売されており、まだまだ現役で活用できますよ~。

(しかも後からMk4にアップグレードするキットもあります。)

 

今回使用した3Dプリンター「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」はこちらからどうぞ!

3Dプリンター(キット)

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オープンソースの3Dプリンターの仕様を作った技術者が作った会社の3Dプリンターです。この商品は、自分で組み立てることが前提です。マニュアルも日本語化されていて、組み立てで特に手順に困るということはありませんでした。非常によくできた製品で、印刷品質も高いので非常に満足できます。
ちなみに「HARIBO」というお菓子もついている(笑)ので楽しみながら組み立てられます。

3Dプリンター(組み立て済み)

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買ってすぐに印刷が楽しめるのもいいですね!

ケースのデザインをFusion360で作る!

ケースのデザインは、AutoDeskのFusion360を使用して作成しました。

M5Stack Basic」と変換基板を、インクルードできるケースとして設計しています。

表面は。「M5Stack Basic」のディスプレイと物理ボタンが使えるように、窓を設けています。

また、左側面には、「M5Stack Basic」への電源供給用として、USB-TypeCケーブル用の穴とガイド、温度センサーのプローブ部分を出す穴を2つ(用途によって使い分け)つけています。

※右側の図には、M5Stack Coreをはめた場合のイメージを表示しています。

温度センサーケース(表面)
温度センサーケース(表面)

温度センサーの変換基板やケーブルを収納するエリアの高さが、M5Stackよりも高いため、ケース全体の高さがM5Stackの高さよりも高くなります。

そのため、裏面には、「M5Stack Basic」を支える支持体と、熱を逃がしたり、Wi-Fi接続時の電波を通りやすくするための穴をデザインしました。

固定用のネジは、M3ネジを使用するようにねじ切りをデザインしています。

温度センサーケース(裏面)
温度センサーケース(裏面)

これで、「M5Stack Basic」と水温センサーを保護するケースのデザインが決まりました。

次は、温度センサーの保持用ホルダーを作ります。

温度センサーの保持用ホルダーをFusion360で作る!

温度センサーの保持用ホルダーについても、デザインは、AutoDeskのFusion360を使用して作成しました。

なるべく、水槽内の水質に影響がないように、水槽内の水位よりも上にホルダーが位置するように長さを設定しました。

水温センサーについては、ビニール袋をかぶせて水につけることで腐食対策としました。

また、誤ってホルダーが水槽内に落ちることを防止するために、紐などで固定できる穴を設けています。

水温センサーの固定用ホルダー
水温センサーの固定用ホルダー

3Dプリンター向けの印刷データを作る!

デザインが決まったところで、今回使う3Dプリンター「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」で印刷するためのデータに変換します。

データの変換には、「Plusa Slicer」を使いました。

これは、3Dプリンターの販売元が提供している専用のソフトウェアです。

ソフトウェアは無償で利用が可能です。

 

Fusion360で作成したデータを「エクスポート」機能で「3MF」形式のファイルに保存します。

保存した「3MF」データを「Plusa Slicer」で読み込んで印刷データへ変換します。

変換したイメージは次のようになりました。

 

これで、保護ケースを3Dプリントする準備が整いました。

次は、実際に印刷していきます。

3Dプリンターを使った造形

作成したデータをもとに3Dプリンター「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」で印刷を行います。

今回は、印刷する素材(フィラメント)としては、「PETG」を使用しています。

理由としては、多少柔軟性があり、ケースとしての強度も十分に出せるためです。「PLA」では、硬すぎて、落とした際に割れてしまいそうなので。

 

今回使用したPETGのフィラメントは、次のものになります。

Plusa が販売しているもので、フィラメントの巻も綺麗に揃っており、印刷時にも問題がほぼない優秀なフィラメントです。

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3Dプリンターで印刷する

それでは、3Dプリンター「ORIGINAL PRUSA i3 MK3S+」を使って印刷します。

実際の印刷工程や、出来上がりの動作イメージは、次の動画をご覧ください!

 

 

 

印刷した結果は、次のようになりました。

いつもながら、かなりいい精度でプリントすることができました。

合わせ目、ネジでの固定も確実にできます。

さてこれで、保護ケースも完成しました。

いよいよ次は、プログラミングを行います。

水温を計測するプログラムを作る

それでは、Arduino でプログラムを作成していきましょう。

まずは、今回の目標から。

今回の目標

今回は、温度センサーを水槽に配置して、水槽内の水温を計測しデータとして保存します。

また、計測値がわかりやすいように、「M5Stack Basic」のディスプレイに表示します。

<機能>

  • 約1分毎に水温を計測し、microSDカードへ保存する
  • 計測時の水温をディスプレイに表示する
  • 適正水温(20~25℃あたり)を外れた場合に注意をディスプレイに表示

 

なお、水温を測定してディスプレイに表示する以外の処理はないため、1分間隔での実行については、単純にdelay関数を使います。

実行処理が増えてきたら、処理の方法を変更する予定です。

 

計測したデータは、次のmicroSDカード内に保存します。

また、microSDには、Wi-Fi接続情報(アクセスポイント情報)をJSON形式で保存しておき、Wi-Fi接続時に読みだして使用します。

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安価なメモリはほかにもありますが、信頼性が高いこのメーカーを当サイトではおススメしています。

使用するライブラリ

今回は、主に次のArduinoライブラリを使用します。

ライブラリ名(バージョン) 用途 詳細URL
ArduinoJson(6.21.2)
microSDカードに記述したアクセスポイントの情報(JSON形式)を、読み込みプログラム内で処理するために使用しています。

今回はWi-Fi接続を行った後に、NTPサーバーと時刻同期するために使用しています。

https://arduinojson.org/?utm_source=meta&utm_medium=library.properties
OneWire(2.3.7)
温度センサー(DS18B20)からデータを取得して処理するために使用しています。 https://www.pjrc.com/teensy/td_libs_OneWire.html
LovyanGFX (1.1.6) M5Stackのディスプレイに水温データや警告表示を行う際に使用しています。 https://github.com/lovyan03/LovyanGFX

ライブラリのインストールは、次の記事で紹介しています。

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プログラムの作成

Arduino IDE2.xを起動して、次のとおり実行してください。

今回のプログラムは、Arduino IDE 2.1.0で動作確認を行っています。

 Arduino IDE スケッチ例

今回のプログラムは、GitHubに保存しています。

ダウンロードして、srcフォルダ内の「M5Stack_TempSensor_v1.ino」を開いてください。

※プログラムは、M5Stack Basic用になります。

「M5Stack Core 2」向けに作成する場合は、時刻(RTC)関係など適宜変更してください。

ダウンロード手順
  1. GitHubの右上にある「Code」から「Download Zip」を選択します。
  2. ダウンロードしたファイルを解凍します。
  3. “microSD”フォルダにある次のファイルをmicroSDカードへ保存します。
    – SSID.txt
    – TempSensor_log.txt
  4. microSDカードに保存した、”SSID.txt”をテキストエディタで開き、
    使用するWi-Fi接続情報(アクセスポイント情報)を書き換えて保存します。
  5. microSDカードをM5Stackに挿入します。
  6. 温度センサーをM5Stackに接続します。
  7. ダウンロードした”src\M5Stack_TempSensor_Logging”フォルダにある”M5Stack_TempSensor_v1.ino”を
    Arduino IDEで開きます。
  8. Arduino IDEからM5Stackに書き込みます。(書き込み方法は以降に記載しています。)
GitHubダウンロードURL
GitHub

Contribute to karakuri-musha/M5Stack_TempSensorLogging devel…

 M5Stackへの書き込み

  1. 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」で任意の名前を付けて保存します。
  2. 「ツール」メニューから「ボード」情報を確認し、次のものを選択します。
    この際、「シリアルポート」にマイコンを接続したCOMポートが指定されているかも確認します。
    ボード:「M5Stack」-「M5Stack-Core-ESP32」
    「Partition Scheme」で「Not OTA(Large App)」を選択します。
  3. 「ツール」メニューから「シリアルモニタ」を選択してシリアルモニタを起動します。
    (転送速度は「115200」です)
  4. 「スケッチ」メニューから「マイコンボードに書き込む」を選択します。

 プログラム実行結果

M5Stackのディスプレイ上に次のように温度が表示されれば、完成です。

温度が変化すると、次のように表示が変化していきます。

最終的な組み立てと設置

これまで見てきた、温度センサーやM5Stack、Arudinoでのプログラミングを組み立てたものを、自作したケースに入れて組み立てました。

次のように、ケースの中にM5Stackと変換基板、ケーブルを入れて、裏蓋をネジで固定します。

せっかくなので、「メダカ」のイメージをデザインした絵をケースにつけてみました。

うん。ありですね。

無塗装ですが、なかなかいい味を出しています。

最後に水槽の横に設置してみました。

きちんと水温が計測できていますね~。よしよし。

置いた感じもいいですね~、シンプルな見た目にしてよかったです。

 

なかなか、いい感じに仕上がったのではないでしょうか!

今回作ったものをベースとして、まだ、メダカの育成環境を快適にしていくアイデアを追加してアップデートしていけたらいいですね~

編集後記

いかがだったでしょうか。

設置してみると、シンプルでわかりやすい水温計が出来上がりました。

計測データもしっかりと保存されているので、季節の変わり目などにデータを確認して、水温対策に活用していければと思います。

 

皆さんも、挑戦してみては、いかがでしょうか!

 

今回の記事は以上となります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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